WFM(ワークフォース・マネジメント)で人員配置を最適化
基礎知識をご紹介
こんにちは!楽テルコラム担当です。
慢性的な人材不足というコールセンターの課題解決のために、WFM(ワークフォース・マネジメント)の普及が一部で進んでいます。今回は、人員配置の最適化により生産性向上やコスト削減のメリットを得られるWFMシステムの基礎知識についてご紹介します。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
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目次
「WFM」=ワークフォース・マネジメントとは
WFM(ワークフォース・マネジメント)はWorkForce Managementの頭文字で、サービスのクオリティを維持したまま人材の採用や配置を最適化する考え方のことです。
AIやロボット技術が人手に取って代わる時代が到来したと言われていますが、コールセンターや病院、介護施設といった現場では人の力は欠かせません。そのような産業の現場で用いられる組織管理の方法です。
コールセンターのWFM
労働人口の減少やオペレーター職へのマイナスイメージが影響し、コールセンターの多くは人材確保が課題となっています。しかしコールセンターにとってオペレーターにかかるコストは比重が大きく、安易に賃金を上げることは難しいのが現状です。
加えて、コールセンターへの問い合わせ件数は繁閑期があり、必要なオペレーター数の予測を行うことも容易ではありません。さらには個人差のあるオペレーターの能力や出勤希望日時も考慮したシフトを組み立てる必要があります。
このように、コールセンターのWFMは、さまざまな条件を鑑みながらオペレーター人材配置とコストバランスの最適化を目指していく考え方となります。
WFMシステムとは
コールセンターの人員配置における難しい条件をクリアして効率的にWFMを実現するためには、WFMシステムが役立ちます。WFMシステムにはデータ分析や自動化技術などを活用してシフト配置の精度を高めていくための機能が揃っています。これにより、マネジメント職の管理業務の負荷低減や、サービス品質の標準化などを実現できます。
WFMシステムもクラウドが主流
日本でWFMシステムの使用が見受けられるようになったのは2000年代初め頃になります。その頃は、ソフトウエアを手持ちのデバイスにインストールするというソフトウエアパッケージの形態が一般的でした。
その後、パンデミックへの対応や働き方改革の推進などを背景にリモートワークが普及したことから、いつでもどこからでも利用できるクラウド型のシステムの導入を選ぶ企業が増加しました。
効率だけでなく質の向上も実現
WFMシステムは業務効率化を図る手段として有効ですが、同時に業務の質の向上も狙えます。
コールセンターの場合、少人数のオペレーターをフル回転させてコールへの対応時間を短くすれば効率は上がります。しかし短い時間で要望に応えることになるため、1件ごとのサービス品質が必ずしも上がるわけではありません。
ただ人員の削減をするのではなく、業務のピークを推測して配置人数やオペレーターのスキルを勘案しながら最適な人材配置を行うことがWFMの本質的な役割です。WFMシステムにはこのような詳細データを分析・管理する機能も備わっているため、効率・質の両方の改善が期待できるでしょう。
WFMシステムの主なメリット
WFMシステムのメリットのうち、主なものを4つご紹介します。
1.コールセンターのパフォーマンス向上
オペレーターの人員削減とコールセンターのサービス品質の向上は、基本的には相容れないものです。 そこで過去の入電数や繁閑期の傾向、問い合わせ内容の傾向などをWFMシステムによって分析し、最適な人数のオペレーターを適材適所に配置することで、サービス品質を維持しつつコンパクトな人員配置を実現できます。その結果コールセンターの生産性を高めることにつながります。
2.人員配置のムリ・ムダを軽減
貴重なオペレーター人材を余らせると人件費がかさむだけでなく、職場の雰囲気が緩み士気が下がります。反対にオペレーターが足りずに顧客からの入電への対応に追われている状態が続くと、十分な休憩時間を取ることができず、精神的・体力的に負荷がかかるでしょう。加えて、難しい条件下でシフトを組み立てるマネージャー職の業務負担も相当なものになります。
WFMシステムを導入することで、そうした「ムリ・ムダ」の解消が期待できます。
3.顧客満足度向上
顧客の問い合わせ傾向を予測し、それに見合ったスキルのオペレーターを配置できていれば応対もスムーズになり、顧客に満足感を与えることができます。オペレーターのスキル不足や不確かな応対によるクレームの回避も期待できるでしょう。
4.管理者のサポート
コールセンターの管理者といっても、全員のスキルが統一されているわけではありません。WFMを運用することで、拠点ごとの管理者のスキルを標準化することが可能です。
さらに、WFMシステムによってオペレーターの勤怠管理や案件ごとの対応状況の把握などもできるので、管理業務の負荷軽減にもつながります。
WFMシステムの主な機能
WFMシステムは、下記のような機能を備えています。
1.入電予測に応じた必要人員予測
過去の入電数のデータを分析し、曜日、時間帯、問い合わせ内容について予測値を抽出します。この予測値からオペレーターのスキルと人数を割り出し、それに合わせたシフト配置を行うことで、コストカットを目指します。
適切な人員配置を行うことで顧客の問い合わせを逃すことはなくなるので、オペレーターにつながらない状態の「待ち呼」を削減することにもつながります。
2.人員の手配進捗管理
通常の入電予測を上回ると考えられる事情が予見できる場合や予定していた人員の急な欠勤に対して、不足する人数や時間帯などを算出し、必要な人員がどれだけ手配できているかの進捗をタイムリーにチェックすることができます。
3.人員のスキル登録
オペレーター一人ひとりのスキルを登録する機能により、人員配置の最適化が可能になります。「新人・ベテラン」「コミュニケーション能力がある」「外国語対応ができる」「特定のジャンルに詳しい」など、バランスを鑑みながらシフトを構成できるだけでなく、オペレーターのスキルを絞り込んでリスト化する機能もあります。
加えて、オペレーター全員のスキルを可視化することによってコールセンター全体に不足しているスキルが明確になります。オペレーターの研修テーマや人材採用時の募集要項として活用すれば、コールセンター全体の応対品質のボトムアップが期待できます。
4.シフト表作成
複雑な条件をクリアしたシフト表を自動で作成することができます。そのため、オペレーターの希望や出勤日数のバランス、必要なスキルを持った人材の確保、公平な人員配置など、マネージャー職が頭を悩ませて手作業で管理していた時間と労力を大幅に短縮できます。
作成したシフト表はパターン化しておき後日再利用したり、完成したシフト表をオペレーターのデバイスに転送してシフト配布をスムーズにしたりとさまざまな場面で活躍します。
5.シフト希望エントリ
オペレーター側からシフトを応募する機能も搭載されています。シフト希望日を入札してスケジュールを固めていく方式や、勤務可能な日時を事前に登録してシフトを構成していく方式などがあります。
WFMシステムの選び方
WFMシステムはコールセンター以外の幅広い業界での活用が期待できます。例えば、病院や店舗など24時間の対応を要する業界や、繁忙期・閑散期がある業界など、それぞれに必要な機能は異なります。
さらにコールセンターでWFMシステムの導入を検討するなら、コールセンターに特化しているシステムかどうかをチェックしておくことが大切です。
一定期間無料で使用できるトライアルを儲けている製品も多くあるので、実際の使い心地を比較すると良いでしょう。
まとめ
人材の力を必要とする産業では、WFMが重視されています。特にコールセンターでは人材不足が常態化している現場が多いため、貴重な人材の能力を最大限に活かすムリ・ムダのないシフト管理が課題解決の糸口になります。
WFMシステムを活用すれば、過去の業務実態の分析やオペレーターのスキル・希望等を反映した精度の高いシフト管理が効率的に行えるのでおすすめです。ぜひ、WFMシステムの導入を検討し、自社のパフォーマンスと顧客満足度の向上を目指してください。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
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好きな料理は「スパイスカレー」です。