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感情労働とは?
基礎知識とオペレーター自身やコールセンターが取るべき対策を紹介

感情労働とは? 基礎知識とオペレーター自身やコールセンターが取るべき対策を紹介

こんにちは!楽テルコラム担当です。

感情労働とは、労働者が個人的な感情を抑制して他者に臨機応変な対応を行う仕事です。中でもコールセンター業務のオペレーターは精神的な負荷が大きいと言われています。今回は、オペレーター自身やコールセンター組織がどのような感情労働対策をすれば良いのかについてご紹介します。

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目次

    「労働」の種類とは

    一言で「労働」といっても、報酬を得る業務内容によって分類があります。ここでは「感情労働」「肉体労働」「頭脳労働」についてご紹介します。

    感情労働

    「感情労働」とは、顧客に対して心理的なアプローチをする仕事です。
    働く本人の感情とは別に、声や表情、身振り、言葉によって「適切な感情」を表現しなければなりません。自分の感情を状況に合わせて臨機応変にコントロールする能力が必要で、忍耐や緊張といった負担を必要とされるストレスフルな仕事です。
    感情労働という言葉はアメリカの社会学者であるA.R.ホックシールド氏によって提唱され、2000年ごろから日本でも広まり、注目を集めるようになりました。

    肉体労働

    自らの体を動かして報酬を得る仕事が、文字通り「肉体労働」です。主に、農業・林業・漁業といった第一次産業や、建築業、工場などの現場で働くことを指します。ブルーカラーとも呼ばれるカテゴリーです。

    頭脳労働

    一方、ホワイトカラーと呼ばれるのが「頭脳労働」です。アイデアや企画の質に対して報酬を得る仕事と位置付けられています。

    感情労働と言われる業種・職種

    感情労働に当てはまるのは、航空業や飲食業、宿泊・ホテル業といった顧客への接客サービスを主とした業種です。日本の「おもてなし」に表現されるような、顧客が気持ちよく過ごすためのきめ細かな心配りがサービスの質として評価されます。
    他にも、医療や教育、金融、コールセンター業界といった専門的知識やスキルで有人対応を行う業種も感情労働の代表的なものです。
    職種で例えると、客室乗務員、コールセンターのオペレーター、医師・看護師・介護士、保育士・教師などが挙げられます。

    感情労働が抱えやすい課題

    心理的なアプローチを行う感情労働の労働者には、抱えやすい課題があります。ここでは、コールセンターのオペレーターを例に見ていきましょう。

    メンタルヘルスの不調

    感情労働で抱えやすい課題の一つは、メンタルヘルス(=心の健康)を崩してしまう恐れがあることです。
    感情労働は自分の感情を押し殺して業務に当たらなければならないストレスの大きな仕事です。コールセンターのオペレーターは、相手から理不尽なクレームや脅し、法外な要求をされることも多々あるでしょう。
    しかし、顧客応対のプロとして常に冷静な対応をしなければなりません。「顔では笑って心で泣いている」という状態を日常的に行っていると、知らず知らずのうちに行動と感情の乖離が大きくなってしまうことがあります。
    心の健康バランスを崩すと、うつ状態にまで陥ることもあるので注意が必要です。

    バーンアウト/燃え尽き症候群

    もう一つの課題は「バーンアウト」に陥りやすいことです。
    バーンアウトとは、これまで炎のごとく燃えていた業務へのモチベーションが突然失われてしまう症状のことで「燃え尽き症候群」とも呼びます。特に、物事に対して真面目に取り組む優秀な人材が、エネルギーを燃やしすぎた先にバーンアウトに陥る傾向にあります。

    バーンアウトしてしまうと、「脱人格化」といってエネルギーの消耗を極力抑えるための行動を取る人もいます。例えば、情緒を失ったようにコミュニケーションが冷淡になり、思いやりのない言動や、相手からの声かけを無視するなどの行動をするようになります。
    防衛反応が働いている証拠なのですが、コールセンターのオペレーターが顧客にこのような反応を行っていると、顧客に不快感を与えて高い確率でクレームを引き起こしてしまうでしょう。企業としては、未然の対策が重要になります。

    オペレーターの感情労働対策

    問い合わせやクレームに対応するコールセンターのオペレーターは、不安・疑問・怒りといった顧客の感情に対して、自分の感情を抑えて向き合う必要があります。電話越しの「声」でコミュニケーションを図るため、相手の声色から感情を読み取り、自分の声に最適な感情を載せるという技術も必要になります。
    そんな精神的負担の大きいオペレーター自身が、業務への取り組み方や考え方の範囲でできる対策とは何でしょうか。

    ストレスを溜め込まず早めに発散する

    まずは、自分がストレスを感じていることを自覚することが大切です。
    電話口で感情を抑えることに慣れてしまうと、心の負担に自分で気づくことができず、本来あるべき感情を損なってしまったり、ちょっとしたことで感情が爆発したりといったことが起こりやすくなります。「仕事を忘れられるようなプライベートの趣味を見つける」「ストレスが小さいうちに誰かに話を聞いてもらう」など、発散の方法を見つけておきましょう。

    「仕事」と「自分」の境界を保つ

    個人的な感情を抑えて顧客に対峙するためには、「仕事」と「自分」の境界を保つことも大切になります。
    多くの場合、顧客の怒りや不満は個人である自分に向けられているのではなく、会社や商品・サービスに対してのものです。あまりに理不尽なクレームをぶつけられた時は「これは自分ではなく会社に対するクレームだ」と割り切ってしまうのも対策のひとつです。

    コールセンターの感情労働対策

    コールセンターの多くが抱えている課題として、オペレーターの人材不足が挙げられます。そのため、メンタル不調による離職やストレス過多のイメージから求職者が集まらないなどの状況は避けたいところです。
    コールセンター組織として、感情労働を支えてくれるオペレーターを守る対策は欠かせません。

    SVが目配り・声かけをする

    そもそも、オペレーター本人が自身の抱えるストレスに気づいていないことがあります。
    そのため、SVは現場の管理者として一人ひとりの様子を気にかけ、積極的に声かけをすることが大切です。日頃からコミュニケーションを重ねておくことで、オペレーターのちょっとした変調にも気づくことができます。

    コールセンターシステムの楽テルなら、オペレーターの電話対応をタイムリーにモニタリングできるので、ストレスにつながりそうな事案が起きた時にも素早くフォローできるようになります。

    相談しやすい職場をつくる

    組織的に相談しやすい職場をつくることも重要な対策のひとつとして挙げられます。
    オペレーターは日頃から感情を抑えて仕事をしているため、本音を吐き出す場所が必要です。SVや同僚に相談を持ちかけられるようにミーティングの機会を設けたり、メンタルヘルスのカウンセラーを配置したりするなど、誰でも相談できるような雰囲気づくりを心掛けましょう。

    ストレスチェックなどを制度化する

    ストレスの感じやすさやダメージを受けやすい内容は一人ひとり異なります。
    オペレーターのストレス耐性を測るストレスチェックを制度として取り入れると、組織として個人の特性を把握することができ、上司やカウンセラーによるメンタルケアがスムーズに行えるようになります。
    それだけでなく、オペレーター自身にメンタルの傾向をフィードバックできるというメリットもあります。自分がどんな内容にストレスを感じやすいか、現在どれくらいの精神的ダメージが蓄積しているかなどを客観的に知り、個人としても対策に取り組みやすくなるからです。

    まとめ

    自身の感情を抑えて働く感情労働の従事者は、知らず知らずのうちにストレスをためていることがあります。無自覚なストレスが大きくなると、仕事へのやりがいや喜びというポジティブな感情まで感じにくくなる可能性があります。
    本人がストレスを自覚してこまめに発散できるようにすることと、組織的に個人をサポートすることのどちらも欠かせません。一人ひとりの心のケアに努めて、働きやすい職場づくりを目指してください。

    関連記事はこちらコールセンターのストレスは大きい?ストレスの回避と離職率を下げる方法|楽テル

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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。