コールセンターマニュアルの作り方!運用と業務効率化のコツも紹介
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンターにおいて、マニュアル作成はオペレーターの品質管理にも関わる重要事項です。しかしマニュアルの質によっては業務効率のアップにつながりにくいこともあり、そもそも「本当にマニュアルが必要なのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、業務効率や品質のアップにつながるマニュアル作成にあたってのポイントをご紹介していきます。「コールセンターの品質を上げたい」「業務効率をアップするマニュアルを作りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。
着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。
クラウド型コールセンターCRMシステム「楽テル」資料請求はこちら(無料)
目次
コールセンターにマニュアルは必要?
コールセンターにおいてのマニュアルとは、「さまざまな個性や特徴を持ったオペレーターが揃って安定した品質を提供できるように、見本となるルールやマナーをまとめたもの」です。コールセンターでは、オペレーターによって対応の差が生じないようにするためにも、マニュアルを作成する必要があります。
前職などの経験値や性格によって、人の得手不得手はさまざまです。特に、多くの人が働くコールセンターではある特定の業務に対して「上手くできる人」「あまり上手くできない人」が出てきます。
たとえば、ある人は「お客様に対して丁寧な言葉遣いで説明する」できても、ある人は「早口で話す癖がある」かもしれません。
対応するオペレーターによって接し方や話し方に大きく差が出る場合は、コールセンター全体の印象をも左右する場合があります。
「正しい日本語の使い方」「基本的なビジネスマナー」「よくある質問に対する返答」「クレーム対応」などをマニュアルにすることで、安定した品質で対応できるようになります。
コールセンターマニュアルに掲載する5つの内容
コールセンターのマニュアルにはどのような内容を掲載すると良いのでしょうか。コールセンターによってマニュアルに記載すべき内容は異なりますが、少なくとも次の5点は必要です。
- ツールの使い方
- 電話応対マナー・言葉遣い
- 商品・サービスの基本情報
- トラブル発生時のルール
- トークスクリプト
それぞれの内容について見ていきましょう。
1.ツールの使い方
オペレーターが操作するツールの使い方についての情報が必要です。オペレーターは、録音や検索などのさまざまな機能を搭載するツールを使いこなしながら応答します。
ツールに豊富な機能が搭載されていても、オペレーターが使い方を理解していなければ適切に活用できません。ツールにどのような機能が搭載され、それぞれの機能をどのように使うのかについてわかりやすくまとめたマニュアルがあることで、オペレーターは適切にツールを使えるようになります。
2.電話応対マナー・言葉遣い
マニュアルの基本項目として、電話応対やビジネスシーンにおけるマナーを記載します。これらはオペレーター業務の根幹であり、対応次第では企業の印象をも左右する重要な要素です。「オペレーターだからできて当然」「社会人として当たり前」などと省略してはいけません。
3.商品・サービスの基本情報
コールセンターの問い合わせ対象となる商品・サービスの情報についても明記しましょう。企業のすべての商品・サービスと関係部署を掲載しておくと、スムーズな引き継ぎが可能になります。特に新しく発売された商品・サービスなどへの質問は集中しやすいため、リリースに合わせて適宜情報を加える必要があります。
4.トラブル発生時のルール
初めから苦情を投げかけてくる顧客への初動対応や責任者への引き継ぎ、会話のなかでクレームに発展してしまった場合の対応など、トラブル発生時のルールを記載しておきましょう。トラブルの火種が小さなうちに、素早く適切な行動を取れるような備えが必要です。そのほかに、自然災害やパンデミックなどの予期せぬ事態が起きた際にも社内外から問い合わせが集中します。混乱を招かないためにも、マニュアルとして明確にする必要があります。
5.トークスクリプト
トークスクリプトとは、想定される顧客との会話の流れをまとめたものです。トークスクリプトに沿って回答すれば早期解決につながりやすくなり、応対時間の短縮が期待できます。結果的に顧客からの満足も得られるでしょう。
トークスクリプトマニュアルの作り方
顧客との会話をスムーズに進める際に役立つのがトークスクリプトです。オペレーター向けのトークスクリプトマニュアルは、次の手順で作成します。
- 顧客のペルソナを設定する
- 対応力の高いオペレーターのトークを洗い出す
- 問い合わせ内容ごとにフローチャートを作成する
- 受け答えをロールプレイして内容を確認する
順を追って作り方を見ていきましょう。
1.顧客のペルソナを設定する
まずは顧客のペルソナを設定します。ペルソナはコールセンターに電話をかける顧客の代表者です。適切なペルソナを設定することで、自然な会話ができるようになります。
問い合わせる人の年代や性別、よくある問い合わせ内容をリストアップすることで、代表的な顧客像を描きやすくなります。ペルソナの平日や休日の過ごし方や価値観なども細かく設定すれば、より有用なマニュアルを作成できるでしょう。
2.対応力の高いオペレーターのトークを洗い出す
次に、顧客対応力が高いオペレーターを選び、実際に顧客とどのようなトークをしているのかを分析します。オペレーターが使う表現や受け答えの言葉などを抽出し、トークスクリプトを作成する要素を洗い出しましょう。
トークスクリプトとは、実際の会話の流れをまとめたものです。対応力の高いオペレーターのトークから、どれだけ顧客のニーズに応え、汎用性が高い見本となるものを抽出できるかどうかに、トークスクリプトのクオリティが左右されるといっても過言ではありません。時間はかかりますが、トークの洗い出しの作業を丁寧に実施しましょう。
3.問い合わせ内容ごとにフローチャートを作成する
問い合わせ内容をリストアップし、それぞれのフローチャートを作成します。たとえば、家電製品メーカーのコールセンターであれば、次のような問い合わせがあるでしょう。
- 商品の使い方がわからない
- 商品が故障している、正しく作動しない
- その他、感想(使いやすい・使いにくい、販売店の対応、広告についての意見)
問い合わせを瞬時に上記のいずれかに分類し、さらに顧客が知りたい内容を特定していきます。たとえば、商品の故障が疑われるときは、次の質問を投げかけることで、トラブルの対応方法を特定できるかもしれません。
- 〇〇で始まる商品番号を教えていただけますか?
- 電源ランプはついていますか?
- いつから症状が出ていますか?
このように一つひとつの段階を系統化し、フローチャートとしてまとめておくと、最短の質問・最短の時間で、顧客に必要な答えとサポートを提供できるようになります。
4.受け答えをロールプレイして内容を確認する
フローチャートをまとめた後に、2番目の段階で抽出したトークの要素を当てはめ、トークスクリプトを完成します。次に顧客役とオペレーター役を設定して、完成したトークスクリプトを使ってロールプレイしてみましょう。
会話の流れやトークに不自然なところが見つかるかもしれません。不自然なところや、トークスクリプト以外に想定される顧客の反応をリストアップし、トークスクリプトをブラッシュアップしていきましょう。
マニュアル作成における注意点
コールセンターでマニュアルを作成する際は、どういった点に気をつけるべきなのか、ここでは、マニュアル作成にあたって注意すべきポイントをご紹介していきます。
誰にでもわかるマニュアルであること
マニュアルを作成する際に大切なことは、誰が見ても理解できるようなマニュアルにすることです。
専門用語を多く利用しているマニュアルや高度な技術を解説してあるようなマニュアルでは、人によっては理解が難しいこともあります。
特に「コールセンターでの勤務がはじめて」というオペレーターからすると、難しい単語や言葉が並んでいるマニュアルの意図を理解できないことも考えられます。
マニュアルとは、さまざまな素質や特徴を持つ人が一定のスキルを得て実践可能なように作られる「お手本」です。
マニュアルを作成する際は「業界未経験の人にもわかるような言葉」で構成すると、より理解度を高められます。
商品別・課題別にマニュアルを作成すること
マニュアルが使いにくいと、オペレーターは使いこなせません。すべての問い合わせを一つのマニュアルにまとめるのではなく、商品別・課題別にマニュアルを作成しましょう。
また、複数のマニュアルを使って顧客の問い合わせに対応する場合でも、最短の質問で顧客の解決につながることが大切です。商品が正しく作動していない場合、顧客は少なからぬストレスを抱えています。
ストレスを抱えた状態で何度もオペレーターとやり取りをするのは、顧客にとって大きな負担になると想像されます。少しでも顧客のストレスを軽減するためにも、最小限の質問でトラブル解決につながる具体的なアドバイスができるように、適宜マニュアルを改善していきましょう。
オペレーターの意見を適宜ヒアリングすること
マニュアルを作成するときには、オペレーターなどの社内スタッフを顧客役・オペレーター役に設定し、ロールプレイを実施してより現実的なトークスクリプトに仕上げます。しかし、必ずしもロールプレイ通りに会話が進むわけではなく、顧客が想定外の反応を示すことや、オペレーターの言葉が意図した意味以外に解釈されることもあるかもしれません。
より現実的かつ実用的なマニュアルにするためにも、実際にマニュアルを使って顧客対応にあたるオペレーターから、適宜意見をヒアリングすることが必要です。
- マニュアルに使いにくい部分はないか
- トークスクリプト通りに進まなかったケースはないか
- マニュアルにない問い合わせはあったか
上記などのポイントに注目すると、マニュアルの不足点や不備が見つかりやすくなります。オペレーターから意見をヒアリングする機会を定期的に設け、マニュアルをブラッシュアップしていきましょう。
ヒアリングを実施することで、マニュアルを拡充し、オペレーターの対応品質の向上につなげられますが、ヒアリングの時間が長引くとオペレーターの負担が大きくなります。オペレーターに負担をかけずに、マニュアルをブラッシュアップするために、クラウド型の顧客管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
楽テルは、顧客情報をクラウドで管理するシステムです。電話対応業務と連携し、問い合わせ内容や対応の履歴を自動記録する機能を搭載しているため、オペレーターからヒアリングをしなくても、マニュアルの使いにくい部分やトークスクリプトの不備などを発見できます。
また、無料お試しもあり、自社に合うシステムかチェックしてから導入できるのも特徴です。初期費用は150,000円~、月額料金は80,000円~です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
楽テル臨機応変な対応が取れるよう基本方針を打ち出すこと
過去の対応内容から顧客の問い合わせ内容や反応を抽出し、マニュアルを作成しても、すべてのケースを網羅できるわけではありません。想定外の問い合わせや反応が生じ、対応に困ることもあると考えられます。
マニュアルにない質問や顧客反応に対して、オペレーターが臨機応変に対応できるように、基本方針を打ち出し、マニュアル化しておくことが大切です。たとえば、次のような方針を決めておくと、マニュアルにないケースもスムーズに対応できます。
- マニュアルにないトラブルに関しては、「調査を行い、対応方法をご連絡いたします」
- 顧客のクレームに関しては、「ありがとうございます。詳しくお聞かせください」
いずれにおいても、顧客の時間を無駄にしないように、短いやり取りで解決につなげることが大切です。
マニュアルは都度改善していくこと
マニュアルを作成したあとは、定期的に内容の見直しが必要です。
時代の流れによって顧客のニーズも移り変わりやすい今日では、マニュアルの内容が時代の流れとマッチしているかがとても大切です。
たとえば、電話による懇切丁寧な対応は重要ではありますが、スマートフォンなどでの検索や問題解決に慣れた顧客にとっては「スピード感」を重視することもあるでしょう。臨機応変に対応できるよう都度マニュアルの見直しや改善をし、オペレーターが困惑しないようにしましょう。
時代の流れや自社の方向性の転換に応じてマニュアル改善を行うことは、顧客満足度の向上にもつながるほか、コールセンター全体の品質管理にも役立ちます。さらにマニュアルの改善によって業務上の指針や目標が明確になると、仕事の成果や成長をより感じやすくなりオペレーターのモチベーションもアップします。
コールセンターマニュアルの運用ポイント
コールセンターマニュアルは、作成して終わりではありません。次のポイントに留意し、運用していくことが必要です。
- 新しい知識を適時追加する
- オペレーター研修を実施する
- 使いやすさを追求して業務効率化につなげる
それぞれのポイントを説明します。
新しい知識を適時追加する
商品やサービスが増えたときは、随時、マニュアルにも新しい商品・サービスの情報を加える必要があります。顧客からの問い合わせ内容も変わるため、オペレーターとのやり取りを分析し、新しいトークスクリプトを作成して、スムーズに対応できるようにしておきましょう。
また、商品のバージョンが変わったときや、顧客からの問い合わせによって気付きを得られたときも、情報をまとめてマニュアルに加えます。商品やサービスを販売する前に想定される問い合わせ内容についてまとめておくと、よりスムーズな顧客対応が可能になります。
オペレーター研修を実施する
オペレーターによって、マニュアルを使いこなすスキルが異なります。対応力に課題のあるオペレーターでも、時間をかければマニュアルを使いこなせるようになりますが、単に待っているだけでは、時間を無駄にするだけでなく顧客に迷惑をかけてしまうかもしれません。
短時間ですべてのオペレーターを熟練した状態に仕上げるためにも、定期的に研修を実施することが必要です。マニュアルの使い方やトラブル対応、言葉遣いの基本などを丁寧に教え、即戦力のある人材に育成します。
なお、オペレーター研修には外注サービスを利用できますが、ベテランオペレーターを講師として実施する方法もあります。ベテランオペレーターならより具体的な事例に基づいた説明ができますが、講師としてのスキルがあるかは不明のため、何度か開催して思うような成果が得られないときは、外注サービスも検討してみましょう。
使いやすさを追求して業務効率化につなげる
オペレーターがマニュアルを使いにくいと感じたときは、すぐに会社側に報告できる仕組みを作っておきましょう。
マニュアルは、オペレーターの業務をサポートするために必要なものです。使いにくいと業務が非効率になり、かえって混乱を招くことになりかねません。
まとめ
コールセンターにおいてのマニュアルとは、個性豊かなオペレーターのスキルを「ほぼ同じレベルで安定させる」働きを担います。
どのようなマニュアルを作るかによってコールセンター全体の品質が大きく変わるため、マニュアル作成にはじっくりと時間をかけましょう。
誰でも理解ができる魅力的なマニュアルが作成できれば、業務効率をアップするだけでなく、離職率が高いとされているコールセンターにおいて人員の定着や人材育成にも優位に働きます。
まずは「働きやすい職場にするにはどんなマニュアルが有効か」「コールセンターの品質を保つためにはどんなスキルが必要か」を考え、効果的なマニュアルを作成しましょう。
マニュアルを拡充させるなら、楽テルがおすすめです。オペレーターの対応を自動的に保存できるため、スムーズなマニュアル作成を実現できます。利用料金は月額80,000円~、初期費用は150,000円~です。無料トライアルも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
最新記事
記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。