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カリブレーションの意味とは?
コールセンターのフィードバックのポイント

カリブレーションの意味とは? コールセンターのフィードバックのポイント

こんにちは!楽テルコラム担当です。

オペレーターをモニタリングする際に担当者の主観やクセが入り込むことを防ぐためには、モニタリングを実施し分析する担当者のあいだで、評価の基準や方法をそろえる必要があります。これをカリブレーションといいます。また、モニタリングを実施した後に、オペレーターに結果を伝えてフィードバックをしなくては意味がありません。そこで今回は、「カリブレーション」と「フィードバック」という2つのキーワードに関してご紹介します。

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目次

    カリブレーションの意味

    カリブレーション(calibration)は、直訳で「較正・調整・校正」といった日本語になります。キャリブレーションと表現されることもあります。

    コールセンターにおけるカリブレーション

    コールセンター業界において使用されるカリブレーションは「基準合わせ」を意味します。オペレーターのモニタリングを実施・分析する担当者のあいだに横たわっている認識のずれを確認し、修正することで担当者同士の評価基準を合わせます。

    仮にカリブレーションを実施しない場合、モニタリングする担当者が意図せず偏った評価をしたり、恣意的な評価を下したりすると、オペレーターの能力を正しく評価できなくなります。そのため、カリブレーションの実施はモニタリングにおいて重要なプロセスといえます。

    カリブレーションの手順

    カリブレーションをするにあたり、具体的にはどのような手順を踏むべきでしょうか。大まかな流れのポイントは次の4つです。

    1. 各評価担当者が同じ対象のモニタリングを実施する
    2. 自身の評価内容を発表し意見を出し合う
    3. 担当者内で評価基準を合わせていく(カリブレーション)
    4. 結果を記載

    まずは①にあるように、同一のコールを対象に、評価担当者全員が、同一のモニタリングシートを使用して、モニタリングを実施します。その際、イレギュラーなクレーム応対などのコールを対象にするのではなく、レギュラーとして日常的にあり得るコールを対象にするようにしましょう。また、リアルタイムか録音、どちらをモニタリングの対象にするのかも重要です。リアルタイムのほうが即時的な判断が盛り込まれるので、より実践的といえます。とはいえ録音には聞き直せるメリットがあるため、状況に応じて選ぶのが良いでしょう。モニタリングシートには評価項目ごとに点数やコメントを記載します。その際のポイントは、「根拠」や「理由」を「事実」とともに明記することです。

    次のステップ②では、各評価担当者のモニタリング結果を互いに発表し、意見を出します。①で書き残した「根拠」や「理由」「事実」があると説得力が増します。ただし、ここでの注意点は、自身の正しさを主張することがこのフェーズにおける目的ではないという点です。また、評価の点数を合わせることが目的でもありません。ほかの評価担当者が何をどのように評価しているのか、ということを知り、自身ないし全体の評価スキルを一定のレベルに合わせることがこのフェーズの目的といえるでしょう。

    続いて③では、意見交換をもとに、ほかの評価担当者の視点や基準を取り入れながら、担当者内で一つの基準を結論付けていきます。妥協ではなく合意形成を目指しましょう。

    そして④では、カリブレーションの結果をモニタリングシートに記載します。

    以上の手順をもとにカリブレーションを実行してみましょう。モニタリングの対象を変えたり評価担当者を変えたりなど、繰り返しカリブレーションを実施することが、評価スキルの向上や評価基準の定着へとつながります。

    カリブレーション実施の重要ポイント

    カリブレーションを実施する際に、モニタリング担当者に知らせておきたい重要なポイントがあります。

    まずは、オペレーターの通話内容を「印象」と「事実」の両側面に分けて評価することです。通話業務において事実を的確に表現することはもちろんですが、相手は「お客様」であるため、好印象を与えることも重要だからです。

    そして、評価は点数にして可視化し、その理由や根拠を明らかにしましょう。「まずまず」「上出来」のように日本語の表現は曖昧になりがちです。その点、数値は基準として客観性を保つことができるだけでなく、その採点の理由や根拠が明確になるとモニタリング担当者同士の意見交換が活性化し、より精度の高い評価基準を導き出せるようになります。

    また、カリブレーションによって評価基準が定まったとしても、引き続き実施することを心掛けましょう。カリブレーションは個人間の認識のずれを埋めるものであるため、モニタリング担当者にメンバーの入れ替えが発生した途端に評価基準の根拠は崩れてしまいます。定期的にカリブレーションを再定義することで、評価の正確性の維持につながります。

    効果的なモニタリングにCRMシステムが有効

    モニタリングシートで基準合わせを行っても、評価者によって評価のブレが出てしまうことがあります。その場合は適切な改善がしづらいといえます。コールセンター向けCRMシステムの楽テルならクレームの件数やエスカレーションの件数、問い合わせ内容ごとの対応件数などの集計をボタン1一つで行うことができます。問い合わせへの対応内容をメンバー間での共有もできるため、オペレーターの応対内容の改善活動を効率よく進められます。

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    関連記事はこちらオペレーター必見!モニタリング分析に必要な評価項目の設計方法

    フィードバックの基本

    モニタリングの後に重要となるのは、分析結果を用いてオペレーターにフィードバックを行うことです。モニタリングで得られた課題や好事例をオペレーターそれぞれでの理解を深めることで、スキルや話法の平準化、さらにはセンター全体の品質向上につなげます。

    フィードバックで良い評価をもらうことによって、意欲や能力が良い方向へ増幅したり、指摘された問題点を改善したりすることでお客様満足度の向上につながっていきます。

    以下がフィードバックをする際の基本のポイントとなります。

    コール担当者の自己評価を聞く

    モニタリングは、オペレーター業務の監視や粗探しをするためのものではないため、マネジメントからのトップダウンのように分析結果について一方的に伝えるのではなく、コール担当者の自己評価を傾聴しましょう。自己評価を具体的に聞き出し、まずはモニタリングシートの分析結果との相違を確認してください。

    課題は明確に伝える

    コール担当者の自己評価や意見を聞いてから、はじめてマネジメント側が考える課題を伝えます。その際は、モニタリングの分析結果をもとにはっきりと具体的に伝えましょう。分析結果の一つひとつが「なぜそう評価されたのか」「何を狙いとしているのか」といった評価基準の丁寧な説明が大切です。良かった点は褒めるなど、相手のモチベーション維持をしていくことも重要です。

    改善策を考えてもらう

    どうしたら課題を解決できるのか、そのための改善策をオペレーター自身に考えてもらうことが大切です。ここで注意したいのは、マネジメント側から一方的に押し付けてはならない、という点です。あくまでもオペレーター自身で考えて気づけるように促し、評価担当者はアドバイスに徹する形が良いでしょう。

    実践練習をしてもらう

    オペレーター自身が見出した改善策を、実際に練習してもらいましょう。考えた改善策が現実的なテクニックなのかをシミュレーションすることで、実務の際に取り入れがスムーズになります。

    ただし一度のフィードバックで多くの課題修正を求めてしまっては、「これまで身に付けていたオペレーションスキルが間違っていたのか」と混乱させてしまうので注意が必要です。コールに与える影響が大きいものを優先的に練習してもらうと効果的でしょう。

    継続が重要

    一度のモニタリング分析、一度のフィードバックでは意味がありません。相対的に点数の低いオペレーターであっても、モニタリング分析とフィードバックの回数を重ねることによって少しずつスキルアップすることでしょう。評価担当者は、オペレーター個人の努力や成長を見逃してはなりません。

    フィードバックするのはQA担当?それともSV担当?

    一般的にモニタリングを実施・分析する評価は、品質担当者(以下、QA担当)が行うことが多いと思います。ではオペレーターへのフィードバックは、誰が担当すると良いでしょうか。

    パターンはさまざまですが、ここでは、2つのケース「QA担当がモニタリング~フィードバックまで行う」と「モニタリングはQA担当だが、フィードバックは現場のスーパーバイザー(以下、SV担当)に引き継ぐ」で想定される項目を整理します。

    結論から言うと、この2ケースのどちらが優れているというわけではないため、コールセンターの現状にあうスタイルを検討してください。

    ケース1:QA担当がモニタリング~フィードバックまで行う

    • QA担当がモニタリング~フィードバックまで一貫して行うため、ロジカルに実施できる。
    • そもそもQA担当は応対品質が主幹業務なので、良質なフィードバックが期待できる。
    • QA担当なら繁忙期・閑散期などの現場の事情に左右されずに、応対品質にフォーカスしたフィードバックができる。
    • QA担当とコール担当のオペレーターは日頃の業務において接点が少ないため、信頼関係を築けていない。フィードバックが形式的になるおそれがある。
    • QA担当はオペレーターとの接点がフィードバック時のみとなるので、その後のフォローがしづらくなる。
    • QA担当のフィードバックとSV担当の日々の指導とのあいだに矛盾が生じる場合、オペレーターはどちらを優先すべきか迷う可能性がある。

    ケース2:モニタリング結果を引き継ぎ、SV担当がフィードバックする

    • 日々指導にあたっているSV担当であればオペレーターとの信頼関係が構築できているため、オペレーターが素直に取り組める。
    • SV担当はオペレーターの性格や業務におけるクセ、得手不得手などを把握しており個人に合ったフィードバックができる。
    • フィードバックには人材育成の要素も含まれる非常に難しい業務なので、SV担当自身のスキル向上が必要な場合がある。
    • SV担当者は自分が行っていないモニタリング結果をフィードバックすることとなり、採点への理解が不足し、単に伝言ゲームになってしまう場合もある。

    コールセンターの発展に向けて

    今回は、カリブレーションとフィードバックの基本と意義をご紹介してきました。カリブレーションによって客観的な評価基準を設け、そのモニタリング分析の結果をフィードバックによってオペレーターの業務スキルやモチベーションのアップを図ることができます。

    コールセンターのマネジメント層は、こういった作業と真摯に向き合い実践することが必要とされます。地道な積み重ねによって、コールセンター全体の発展を目指しましょう。

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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。