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カスタマージャーニーマップの作り方! メリットと事例もご紹介

カスタマージャーニーマップの作り方! メリットと事例もご紹介

こんにちは!楽テルコラム担当です。

コールセンターにおいて顧客満足度を高めるためには「カスタマージャーニー」を意識することが大切です。細かく設定していくことで上質な対応を実現できます。今回はカスタマージャーニーの概要や注目されている理由、事例、カスタマージャーニーマップ作成によるメリットをご紹介していきます。

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目次

    顧客満足度の向上につながる!カスタマージャーニーとは

    カスタマージャーニーとは、顧客が商品、サービスを認知し興味関心を持ったのち、実際の購入や利用に至るまでの動きを「旅(ジャーニー)」に喩えたマーケティング用語です。顧客はどんな経緯でその商品、サービスを認知をしたのか、どんなきっかけで購入・利用を決めたのかなどの点を定義することによって、顧客に寄り添った施策の打ち出しにつながります。

    例えば洋服なら、「SNSで同年代の女性の間で流行していることを知る」→「インターネットでその洋服に関する情報を集める」→「お気に入りのブランドで販売されていることを知る」→「お気に入りのブランドのECサイトで商品情報を確認する」→「ECサイトで注文する」といった動きが考えられます。

    カスタマージャーニーをコールセンターに取り入れる場合は、「顧客は電話をかけてくるまでにどういった過程を経たのか」を考慮して対応することが不可欠です。なぜ電話をかけてきたのか、なぜクレームにつながったのかといった点を分析し、顧客が通ってきた過程を俯瞰することで適切な対応を実現でき、結果として企業における顧客満足度の向上が期待できます。

    関連記事はこちらカスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや成功の3つのポイントをご紹介

    押さえておこう!
    カスタマージャーニーマップを作成するメリット

    カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーを把握しやすくするために、顧客行動を見える化したものです。作成するメリットには、例えば以下の3つがあります。

    顧客接点のレベルを高められる

    カスタマージャーニーマップの作成によって、社内全体で顧客行動への共通認識を持つことができるようになります。部署間による認識のズレを防げるのはもちろん、コールセンターをはじめとする顧客接点の把握にもつながるため、企業におけるコンバージョン率の向上に役立てることが可能です。

    例えば、上記でご紹介した洋服の例の場合、顧客接点はECサイトのみです。ひとりでも多くの顧客をコンバージョンにつなげるためには、ECサイトを通して顧客に安心感や満足感を与える必要があります。そこで考えられる施策には、例えば「ECサイトの使い勝手を良くする」「ECサイトの情報を充実させる」などが挙げられます。これらの実践によって顧客接点の質の向上ができ、結果として購入・利用につながりやすくなるのです。

    コールセンターは、企業における顧客接点のひとつです。カスタマージャーニーマップを作成すれば、どのような電話対応を行えば良いか、オペレーターはどれほどの情報を把握しておくべきかなどを明確にできるので、結果として対応レベルの向上が期待できます。

    企業における問題を発見できる

    顧客がひとつの企業に対し抱く満足度は、必ずしもコールセンターの対応で決まるわけではありません。企業の顧客接点にはコールセンターをはじめ、Webサイトや広告、店舗などがあり、これら全てを含む総評が満足度を左右します。そのため、いくらコールセンターで上質な対応を行っても他の接点で顧客が不満を感じた場合は、企業に対する満足度が低くなる可能性があるのです。

    こうした事態を防ぐ上で役立つのが、カスタマージャーニーマップです。例えば、コールセンターにクレームの電話がかかってきた場合、カスタマージャーニーマップがあればどの過程でクレームにつながる出来事が起きたのかを予想しやすくなります。また、その過程に関係している部署にクレームの内容を共有しやすくなるので、早急にクレームの原因を改善することが可能です。

    カスタマージャーニーマップはコールセンターのみならず、社内全体における問題を明確にし、それを改善する上で大いに役立ちます。ひとりでも多くの顧客に満足してもらうためにも、カスタマージャーニーマップは積極的に作成することをおすすめします。

    問題に対する改善策を考えやすくなる

    上記でもご紹介したように、カスタマージャーニーマップは顧客行動を見える化したものです。そのため施策検討の際に活用すれば、「顧客の悩みは何か」「顧客はどういう商品・サービスに興味を示すか」などと、顧客目線で物事を考えることが可能となります。これはコールセンターにおいても同様で、「顧客はどんな情報を求めているのか」といった点の考慮ができ、結果として適切な対応を実現できます。

    また、カスタマージャーニーマップを通して顧客目線をもつことは、問題に対する改善策を立案する上でも効果的です。例えば、上記でご紹介した洋服のカスタマージャーニーを定義したのにもかかわらず、店舗での販売活動に注力している場合、顧客目線での施策をできていないという問題が浮き彫りになります。なぜなら、顧客接点はECサイトであり店舗ではないためです。カスタマージャーニーマップがあることで、「どこに注力すれば良いのか」を明確にすることができ、顧客のことを第一に考えた改善策を導き出しやすくなります。

    優先順位をつけて課題解決に取り組める

    多くの課題を抱えている場合「何から取り組めばいいのかわからない」という状況に陥ることも少なくありません。そこでカスタマージャーニーマップを活用すると、解決すべき課題の優先順位がわかりやすくなるというメリットがあります。

    重要課題から優先して改善に取り組めば、早い段階で効果が現れることがあります。迅速な改善は、顧客にとってもプラスの感情を生むでしょう。
    加えて目に見える効果は従業員のモチベーション向上にもつながるため、さらなる改善へのチャレンジを後押しする効果も期待できます。

    カスタマージャーニーマップが注目される理由

    近年、カスタマージャーニーマップに注目が集まっているのは、主に3つの理由があげられます。

    スマートフォンの普及

    時間や場所にとらわれずインターネットにアクセスが可能となってきたことから、従来の店頭販売だけでなく多様な場面で顧客との接点が生まれました。その結果顧客行動が複雑化し、これまでのマーケティング手法では分析が難しくなりつつあります。こういった状況から、顧客行動を細かに想定したカスタマージャーニーマップの考え方が求められるようになりました。

    参考:令和2年情報通信白書

    SNSメディアの浸透

    FacebookやInstagramなどの有名なSNS以外にも、数え切れないほどのソーシャルメディアが世の中に誕生しています。

    SNSの投稿をきっかけに商品購入に至ることは、もはや意外な行動ではありません。実際には会ったことのないSNS上の友達がすすめる商品に興味を持って購入したことがある場合はもちろん、購入まで至らずとも興味を持った、商品について調べたという経験は誰もがあるでしょう。このことからも、カスタマージャーニーマップが注目されているのです。

    サイト分析ツールの高精度化

    カスタマージャーニーマップを有用なものにするには、想定した顧客行動を裏付ける根拠が必要です。

    Webサイト上での顧客行動を分析するWebマーケティングは、情報通信の進化とともに高精度化しており、サイト分析ツールで得た数値はカスタマージャーニーマップにも生かせることから、近年注目が高まってきているものと考えられます。

    カスタマージャーニーマップの作り方

    ここでは、カスタマージャーニーマップをつくる際の大まかな流れをご紹介していきます。

    1.ペルソナの設定

    はじめは想像でも構わないので、ペルソナ=ターゲットの人物像をなるべく細部まで具体的に決めましょう。この作業は、カスタマージャーニーマップをつくるにあたり「顧客がどんな心理でどんな行動を起こすか」を記入する際の根拠となる重要なステップです。

    2.縦軸・横軸フレームの設定

    次に、カスタマージャーニーマップの骨格を組み立てます。縦軸・横軸のフレームを設定し、それぞれの軸を基準に項目を埋めていくことになります。

    縦軸の例としては、「行動(ペルソナのリアルな行動)」「タッチポイント(ペルソナとの接点)」「思考(ペルソナの行動に伴う考え)」「感情(行動した時にペルソナが感じること)」「課題(ペルソナの不満や要望など)」を設定します。
    横軸では、購入前後のプロセスに関する状態を並べます。例えば「認知(ペルソナが商品・サービスを知った時の状態)」「情報収集と他社比較(ペルソナの検討段階の状態)」「体験・購入(ペルソナが商品・サービスを試した状態)」「購入後(実際の使用感など)」を設定します。

    3.タッチポイントの洗い出し

    タッチポイントとは顧客が日頃触れている媒体のことで、例えばWebサイトやSNSといった媒体が当てはまります。公式サイトや口コミサイト、通販サイト、動画サイト、SNSといったインターネット上の接点や、実店舗、雑誌、フライヤー広告といったリアルな接点まで、近年のタッチポイントは多角化しています。
    加えて、「知人や家族からすすめられた」などのエピソードもタッチポイントとなります。顧客がどんなきっかけを通じて商品・サービスを認知、比較検討し、購入しているかを具体的に洗い出してみましょう。

    4.顧客の行動を整理

    次に、顧客の行動を整理する段階です。
    例えば「Instagramのタイムラインで商品を知り、口コミサイトなどでリアルユーザーの感想や類似商品といった情報を集め、実店舗で試してみてから購入し、SNSや口コミサイトのレビューに使用感を投稿する」といった流れです。この流れは一つとは限らず、考えられる行動をできるだけ多く書き出すことが重要です。

    5.顧客の感情を整理

    続いて、顧客の行動に伴う感情を仮説として整理していきます。具体的には、Instagramで商品を知った時点での「好みが似ている人が使っているんだ!他の色も見てみたいな」という感想、店舗で商品を手に取った際の「価格より高く見えるな、使いやすそう!」といった内容になります。

    この時、内容がカスタマージャーニーマップを作成する担当者の主観に偏らないように注意することが大切です。これまで収集した顧客アンケートやリサーチデータ、コールセンターに寄せられた問い合わせなど、根拠のある内容から抽出できると良いでしょう。

    6.顧客とともに仮説を検証

    仮説の検証をするステップです。なるべく実際の顧客に参加してもらうのがベストですが、難しい場合は顧客アンケートによる検証でもいいでしょう。企業が顧客の立場に立ったつもりで考えた仮説と、実際の顧客の声は違っていることも多いものです。本当の意味の顧客目線で整理をしていきます。

    7.完成

    検証した内容を、カスタマージャーニーに書き込んでいきます。文字ばかりで書いていくのではなく、顧客の感情表現には顔の絵文字を入れるなど、イラストや図なども交えるとより視覚的にもわかりやすくなります。

    カスタマージャーニーマップの事例をご紹介

    ここでは、カスタマージャーニーマップの事例として国内のものをご紹介していきます。

    参考:Techbook

    事例1:就活生自らがつくった「就職活動」のカスタマージャーニーマップ

    就職活動カスタマージャーニーマップ

    顧客の当事者である就活生がワークショップ形式でカスタマージャーニーマップを制作した事例です。「就活スタートから入社が決まるまで」の時系列の中で、行動したことや感じたことなどを当てはめながら構築されています。実体験に基づくリアルな内容となっており、非常に信ぴょう性のあるマップだといえます。

    出典:impress

    事例2:温泉旅館の「Webサイトリニューアル」のカスタマージャーニーマップ

    Webサイトリニューアルカスタマージャーニーマップ

    ファミリー層をメインターゲットとした温泉旅館の、Webサイトのリニューアルにあたり作成されたものです。旅行にまつわる意思決定をする夫婦それぞれの感情や行動を想定して構築し、現状のサイトの改善点を見出しています。

    出典:demo

    カスタマージャーニーをロイヤルカスタマー育成に活用

    市場に商品・サービスがあふれる中で将来にわたって企業を存続させていくには「ロイヤルカスタマー」の育成が鍵となるでしょう。
    ここでは、ロイヤルカスタマーの育成における基礎知識とカスタマージャーニーを活用する方法についてご紹介します

    ロイヤルカスタマーとは

    「ロイヤルカスタマー」とは、売上への貢献度が高い上に、企業・商品・サービスに対して信頼(=ロイヤルティ)を寄せてくれる顧客を意味します。
    特定の企業・商品・サービスを「好きなブランド」とし、それに対して忠誠心を持つ顧客は、そう簡単には離脱し他社に乗り換えることはないと考えられます。それどころか、ロイヤルカスタマー自らがSNSやブログ、口コミなどでブランドへの好意を発信する場合もあるため、新たな顧客を引き寄せてくれるケースもあります。
    しかし信頼関係の構築と維持は容易ではなく、企業はロイヤルカスタマーへの戦略的なアプローチが必要になります。

    優良顧客との違い

    売上への貢献度の高い顧客を「優良顧客」と表現する呼び方もありますが、ロイヤルカスタマーとどう違うのでしょうか。
    優良顧客には「購入金額や頻度、継続期間などにおいて水準が高いこと」という意味があります。売上という数値に貢献していることは確かですが「他より安いから買い続けている」「近くにこの店しかないから行っている」といったように、今より良いブランドが登場するとすぐに離れてしまうような人も優良顧客に含まれます。
    つまり、購入や継続といった「行動」を基準とした優良顧客の中に、ブランドへの信頼感という「心理」も持ち合わせたロイヤルカスタマーが存在するという構図になります。

    ロイヤルカスタマー戦略

    ここでは、ロイヤルカスタマー育成のための戦略において、欠かせない3つのステップをご紹介します。

    1.ロイヤルカスタマーの定義づけ

    前述のとおり、ロイヤルカスタマーはブランドに信頼感を持つ顧客のことですが、どのような基準をもって「信頼感」と定めるかは、企業や商品・サービスによって異なります。「よく買ってくれているから」「古いお客さんだから」といった感覚的な基準は場当たり的なため、戦略に反映すべきではないでしょう。
    例えば「企業から新商品が発表されるたびに購入している」「サブスクリプションを○年以上契約し続けている」といったことや、NPS(ネットプロモータースコア)という、顧客が「どの程度ブランドを周囲にすすめたいと思っているか」を測るアンケートの結果を基準にするなど、明確な定義づけが必要になります。

    2.カスタマージャーニーマップ作成

    ロイヤルカスタマーの人物像が具体化したら、カスタマージャーニーマップを作成する段階です。上記でご紹介したカスタマージャーニーマップの作成フローにおいて、ロイヤルカスタマーの行動や心理面を考慮して項目を埋めていきましょう。特に、心理面では顧客が興味を持つようなポジティブな感情ばかりではなく、顧客離れにつながってしまうネガティブ感情も想像することが大切です。
    カスタマージャーニーマップの中には、顧客の購買行動と心理的感情があらわれます。そこからブランドの課題や改善点を見出し、ロイヤルカスタマー育成のための効果的な対策などを練ることができます。

    3.顧客分析

    ロイヤルカスタマーを定義してカスタマージャーニーマップを作成したら、最後に顧客分析を行います。
    実際の顧客の購入金額や頻度などの顧客分析は、定期的に行うことが大切です。現状のロイヤルカスタマージャーニーとのギャップや、課題への対策の成果などをチェックし、ロイヤルカスタマーになる見込みのある顧客を手放さないようにする必要があります。
    顧客の離脱が見られた場合は、できれば直接顧客と連絡をとって理由をヒアリングすることをおすすめします。ひとりの離脱の原因を知ることで、他の顧客の離脱を防げる可能性があるためです。

    まとめ

    コールセンターにて、カスタマージャーニーを意識して電話対応することは、顧客満足度のアップにつながります。また顧客接点のレベルを高められたり、企業における問題を発見しやすくなったりと、さまざまなメリットを得ることも可能です。「電話対応の質があまり良くない」「顧客満足度が低迷している」という企業は、ぜひこの機会にカスタマージャーニーマップを作成してみてください。

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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。