クラウドシステムは導入すべき? 9つのメリットと選び方のポイント
こんにちは!楽テルコラム担当です。
業務効率化やコスト削減といった企業の課題解決に「クラウドシステム」導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。その際、企業の業種や形態、規模に適したシステムを選ぶことが大切です。今回は、クラウドシステムの概要とメリット・デメリット、選ぶ際のポイントをご紹介していきます。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。
着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。
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目次
クラウドシステムとは?
クラウドシステムとは、その名のとおり“クラウド”を活用したシステムのことです。
クラウドシステムのクラウドは雲(Cloud)を意味しており、IT用語の「クラウドコンピューティング」の略です。インターネットに接続されたサーバー上にデータなどの保管が可能な仕組みのことで、インターネットに接続できる環境なら時間や場所を問わず、さまざまなデバイスからデータへのアクセスが可能です。データやソフトウェアの保持や管理を企業側で行う必要がないため、保持や管理にかかっているコストを削減できます。
クラウドシステムはごく身近にありふれており、例えばGoogle提供の「Gmail」もその中のひとつです。メールソフトをパソコンにインストールする必要がなく、アカウントさえあればGoogle ChromeやInternet Explorerなどのブラウザを通してメールの送受信ができます。アカウント情報を入力するだけで使えるという手軽さもあり、個人だけでなくビジネスパーソンにも欠かせないツールです。
他にも、顧客管理に優れたものや他システムと連携して使えるものなど、さまざまな機能を有したクラウドシステムがあり、コールセンターなどの専門的な業務に役立つクラウドシステムもあるため、各システムの機能を比較しながら自社の業務内容に適したものを選びましょう。
クラウドシステムが注目される背景
近年、クラウドシステムが注目されている背景について、2つの視点で見ていきましょう。
コロナ禍で課題が浮き彫りに
コロナ禍の緊急事態宣言下では、外出自粛要請を受けて多くの企業が従業員のリモートワークを試みました。しかしオフィスにオンプレミス型の基幹システムを据え置いている企業は、オフィス拠点以外からのネットワークアクセスが制限されるため、従業員のリモートワーク実現が難しいという課題が浮き彫りになりました。
このようなケースにおいて、オフィス拠点に縛られずに自宅からいつでもアクセスして業務を行うことができるのがクラウド型のメリットの1つです。
また突発的なリモートワークに際し、従業員一人ひとりに業務用のPCやスマートフォンを支給すると時間とコストがかかってしまう、という課題にも多くの企業が直面しました。クラウド型ならインターネット環境が整っているデバイスであれば同じようにアクセスができるシステムが多いので、個人に機器を提供しなくてもスムーズなリモートワークへの移行が実現できます。
今般のパンデミックに限らず、日本は大型台風や震災などの自然災害も多く発生します。このような予期せぬ事態へのBCP対策(事業継続計画)が必要という考え方からも、クラウドシステムへの移行の必要性が話題になりました。
日本企業のDXの遅れ
日本企業はDXの遅れにより「2025年に危機を迎える」と経済産業省の2018年のDXレポートにおいて報告されています。これは「2025年の崖」と表現されており、日本企業がDX(Digital Transformation)によってビジネスモデルを変革し、デジタルテクノロジー社会に適応・貢献できなければ、毎年約12兆円もの損失を負う恐れがあると警鐘が鳴らされているのです。
損失の理由には、古くから稼働しているシステムの老朽化・肥大化によるメンテナンスコストの増大や、維持管理にかかるIT人材が不足していること、そしてデジタル社会に取り残されることによる競争力の低下などが挙げられます。
「2025年の崖」まで残された時間が少ない中、DXへの取り組みが急がれていることから、その足掛かりとして企業の基幹システムのクラウド化が叫ばれているという訳です。
クラウドシステムの導入で得られる9つのメリット
クラウドシステム導入によるメリットは、以下のとおりです。
1.業務効率低下リスクの軽減
クラウドシステムは、データ管理や情報処理をクラウド上のサーバーで行えます。そのため処理速度が落ちる、障害による復旧作業に時間がかかるなどの心配がなく、業務効率低下のリスクが軽減されます。さらに、データ管理や情報処理のために大容量のハードディスクなどの用意が不要なため、高性能な端末でなくても問題なく業務を進められます。
2.導入がスムーズ
オンプレミスでは機器の購入や開発、運用などの手間や時間がかかりますが、クラウドシステムはインターネットを介してのサービス利用となるため、インターネット接続が可能な環境とパソコンがあれば導入も簡単です。
3.コストを削減できる
オンプレミスだと、設備の確保や構築作業、OSやアプリのアップデート、障害対応といったコストが発生するほか専門知識のある管理者も不可欠です。しかし、クラウドシステムなら導入から運用までを一括して任せられるため、上記コストの軽減につながります。さらに、利用期間やユーザー数などの利用状況次第でコストの調節が可能な点も魅力です。
4.データの破損や情報漏えいを防げる
クラウドシステムはセキュリティの安全性が高く、データの破損や情報漏えいを防止できます。 例えば、社内サーバーやパソコンでデータの管理を行っていれば、機器の故障や盗難の可能性がありデータの破損や情報漏えいリスクが高くなります。しかし、クラウドシステムはクラウド上でデータの保持・管理がされており、また端末が故障しても別の端末からアクセス可能なので、IDやパスワードの取り扱いに注意すればデータの破損や情報漏えいの心配を軽減できます。
5.拡張性が高い
例えば大規模ECサイトのコールセンターの場合、セール時に問い合わせが殺到することがあります。クラウドシステムなら一時的にサーバー拡張が可能なため、大量のアクセス処理に対応できます。一方、オンプレミスの処理能力をアップするには、改めてサーバーを構築し直す必要があります。年に数度のセール時期のためだけにサーバーシステムの再構築を行うのは非効率なので、柔軟に対応が可能なクラウドシステムは拡張性が高いといえるでしょう。
6.情報共有が容易になる
クラウドシステムはインターネットを介したサーバー利用となるので、回線につながっていればパソコン、スマートフォンやタブレットなどで場所を問わずにアクセスできます。クラウド上の企業情報をデバイスや場所に捉われずタイムリーに共有されるので、在宅のオペレーターや外出先の営業スタッフなどが離れた場所からでも使用可能となり、採用のハードルが下がり、繁忙時のフォローも容易になるでしょう。
7.サーバーメンテナンスが不要になる
オンプレミスでは、自社で保有するサーバーの保守管理も自社の役割です。メンテナンス技術を持った人員の確保が必要となるなど、保守体制を社内に維持し続けるには大きな負荷となります。加えて、システム障害や災害時にも迅速なメンテナンスが求められます。クラウドシステムであればサーバーメンテナンスはサービスを提供している事業者が対応するので、自社の手間や時間、人件費の節約につながります。
8.利用場所の自由度が高い
クラウドシステムはインターネット上のクラウドを使用するため、インターネット環境が整ったデバイスならどこからでもアクセスできます。「出張先からスマートフォンで」「リモートワーク中に自宅のパソコンから」といった自由な使い方ができるのが大きなメリットです。
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9.BCP対策になる
オンプレミスの場合は拠点の物理的なサーバーにシステムを構築しているので、何らかの事情でサーバーがダウンしたり自然災害の被害を受けたりすると、事業活動に支障をきたすことがあります。クラウドシステムの場合はサーバーのメンテナンスが不要な上に、遠隔地からでのアクセスできるため、非常時のBCP対策(事業継続計画)としての役割が期待できます。
クラウドシステムの導入のデメリット
カスタマイズ性が落ちる
提供されている既存システムの利用となることで、クラウドサーバーには少なからず制約が発生します。自社で全てのシステムを構築・メンテナンスするオンプレミスと比べて、自社好みにカスタマイズが難しい点がデメリットとなります。
オンライン環境が必須になる
インターネット上のクラウドサーバーを利用するため、当然オンラインであることが必須です。インターネット回線が不安定な場所や電波が届かない地域ではアクセスができません。出張時や緊急の場合など、インターネット接続ができない場面では接続できず業務に支障をきたす可能性もあるでしょう。
クラウドシステムを選ぶ際のポイント
企業にとって最適なクラウドシステムを選ぶために、大切なポイントがあります。以下のポイントを把握し、導入に役立てましょう。
導入する目的や自社の課題を明確にする
クラウドシステムを選ぶ際は、業務効率化やコスト削減、顧客管理の簡便化といった自社の抱える課題を洗い出した上で、システムの利用目的を明確にしておくことが重要です。さらに、システムによって機能や料金が異なっているので、事前にどのくらいのコストなら運用可能かを確認しておきましょう。
自社の業態に合ったシステムにする
一言で「クラウドシステム」といってもその機能はさまざまです。例えば、インバウンドのコールセンターとアウトバウンドのコールセンターでは必要な機能は異なります。オールマイティーな機能を備えているのが一番良いように感じますが、シンプルなシステムよりも費用がかかる上に、無駄な機能が多く操作が煩雑になることがあります。自社の業態に合った機能が過不足なく揃っているシステムを見極めましょう。
サポート体制を確認する
導入後のサポート体制もベンダーを選ぶ際の重要なポイントです。コールセンター運営時にクラウドシステムに不具合が起きると顧客の問い合わせに応じられず迷惑をかけてしまうため、早期復旧が必要です。問い合わせやメンテナンスへの対応がスピーディーかつ的確なサポートが期待できるかを調べておきましょう。加えて、無料サポートの対応範囲も事前に確認しておくことが大切です。導入実績や事例、トラブルへの対応実績などを判断基準のひとつにすると良いでしょう。
セキュリティの安全性を確認する
従業員や顧客などの個人情報、経営に関わる機密情報など、企業で扱っているデータは重要なものばかりです。仮に情報漏えいが起きると損害賠償などの問題に発展する恐れがあり、セキュリティが万全なクラウドシステムを選ぶ必要があります。セキュリティサービスにはどういったものがあるのか、データのバックアップが可能か、ウィルスなどの外的要因や脆弱性への対策がなされているかなど、あらゆる視点からのチェックが大切です。
事前に導入事例を確認する
他会社の導入事例を確認しておくと、自社に必要なサービスが絞り込みやすくなります。その際、自社と同規模の企業、自社と同業種の企業というように、共通点の多い企業の導入事例を参考にしてみましょう。導入後に自社の業務内容に適さなかったといった問題を防止できます。
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クラウドシステムを導入して自社の問題を解決する
クラウドシステムの導入によって、顧客管理やデータ管理などが簡便化され、業務効率のアップを実現できます。企業の抱える課題や目的によって選ぶべきクラウドシステムは異なってくるため、自社に適したサービスを見極めるためにも、さまざまなクラウドシステムを比較・検討しましょう。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。