コールセンターのクレーム対応|顧客満足度が上がる8つのポイントとクレームを減らす方法5選
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンター業務の中でも重要とされる「クレーム対応」。顧客満足度に大きく影響しており、クレーム対応の質を上げることで新規顧客獲得も目指せます。今回はクレーム対応の基礎知識や重要性、質を高める7つのポイント、CRMシステム導入のメリットなどをご紹介します。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。
着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。
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目次
コールセンターに寄せられるクレームはほんの一部!
商品やサービス、スタッフの対応に不満を感じていても、実際にコールセンターにクレームを入れる方は10%にも至りません。そして残りの90%以上は不満を飲み込み、解消しないまま商品やサービスの利用をやめてしまいます。
「ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)」を活用したある調査によると、商品やサービスに不満を感じた人の96%は企業に対してクレームを言わないことが判明しています。理由は人によってさまざまですが、「クレーマーだと思われるのが嫌」「器の小さい人だと思われたくない」「親身に対応してもらえるとは限らず、逆に不愉快な思いをしそう」などといった心理的な抵抗感から口をつぐむ人もいるのです。
さらに同調査では、1件のクレームの裏には不満や問題を抱えた顧客が24人おり、そのうちの6件は問題が深刻化しているのだとか。つまり、コールセンターに寄せられるクレームの数は氷山の一角であり、実際はもっとたくさんのクレームが存在していると言えるのです。
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クレーム対応で顧客満足度が上がる!?
クレームをマイナスな意味で捉えてしまう方は多いですが、クレームは顧客の本音が詰まった生の声であり、顧客の不満や怒りの声には「顧客が何を求めているのか」を紐解くヒントが隠されています。クレーム対応の質を高め、顧客の不満を迅速に解決できれば、既存顧客のリピート率を維持したり新規顧客を獲得できたりと、さまざまなプラス効果を生むことが可能です。
上記と同調査の結果によると、クレームを入れた顧客は仮に問題が解決しなかったとしても再び商品やサービスを利用する傾向にあることが分かっています。また、このうちの54~70%は問題が解決されれば再びリピーターとなることが判明しており、顧客が「不満や問題が迅速に解決された」と感じる場合におけるリピート率は95%にも上ります。加えて、クレームを入れて問題が無事に解決した顧客は、平均5~8人の知り合いにクレーム対応について事実を話すというデータもあります。
つまり、素早いクレーム対応によって顧客の不満や悩みを解決し、顧客満足度を高めることができれば、対応の良さが自然と別の方々にも伝わるため、新規顧客を獲得できるかもしれません。
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クレームの原因はどこにあるのか
どんなときにクレームに発展する傾向があるのか、顧客視点から原因を探ってみましょう。
想定外の出来事が起こった
「あると思っていた機能がない!」といった商品・サービスに対する期待はずれや、「こんなに請求額が高いのはなぜ?」という想定外など、顧客にとって予期できない事態が起こったときにクレームの感情が芽生えやすいです。
疑問が解消されなかった
顧客がコールセンターに問い合わせる段階では「解説してほしい」という気持ちだったとしても、「担当者に替わります」などとたらい回しにされた上に、結局は疑問が解決されなかった場合、不満の気持ちがどんどん膨らんでしまいます。
不親切な対応をされた
オペレーターは決して企業の全責任を背負っているわけではありませんが、クレームに対して他人事のように接してしまうと顧客の心を逆撫ですることになります。顧客の問いにオペレーターが不遜な態度をとったり顧客が主張する声に寄り添わなかったりした場合も、顧客の中で企業への不信感が募るでしょう。
クレームの主な種類
クレームの種類を分析してみると、代表的な3つに分類されます。
一般的なクレーム
一般的なクレームには、大きく分けて「製品やサービスに関するクレーム」と「担当者の応対についてのクレーム」の2つあります。「一般的」と線引きするのは難しいですが、企業として誠意ある対応をすれば解消できるような内容を指します。
製品・サービスに関するクレーム
「商品に不具合が起きた」「説明書が分かりにくい」といったように、商品・サービスに対する疑問や不満など、サービスそのものに問題がある場合に発生します。
担当者の応対に関するクレーム
「担当者によって言っていることが違う」「対応が遅い」「不親切な対応だった」など、担当者の対応が不誠実だったり、サポートが行き届いていない場合に発生します。
悪意のあるクレーム
「なんだその態度は!SNSに名前をさらすぞ!」というような過度な業務妨害を指します。金銭の要求もこのジャンルに含まれます。
理不尽なクレーム
「お前の店が開店してから具合が悪い。慰謝料をよこせ!」「サービス精神があるならなぜ割引できない!?」など、八つ当たりや憂さ晴らしのような理不尽なものも、クレームの種類のひとつです。
クレーム対応の際に気をつける7つのポイント
クレームは、商品やサービスの質が顧客の求める期待よりも低い時に起こります。人の価値観はそれぞれ違い、ものの良し悪しを判断する基準や許容範囲も異なるため、どんなに商品やサービスが良くても、万全の状態で対応にあたっても、クレームがゼロになることはありません。だからこそ、いつクレームがきてもいいように対策を練ることが大切です。
以下では、クレーム対応で押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。
1.顧客の話をきちんと聞き、まずはお詫びをする
クレーム対応では、解決を急ぐあまり顧客の言葉を遮って話してしまうケースもあるかもしれません。しかし顧客は「面倒なクレームだから早く済ませたい、と思われているのではないか」と不快に受け取ることも考えられます。そのため、謝罪や提案は相手の話を全て聞き終えてから行うのが賢明です。
なお、無言で話を聞いていると「きちんと話が伝わっているかな」「片手間に相手をされているのではないか」と懐疑心を持たれてしまう可能性があります。話を聞くときは「はい」「なるほど」「そうなのですね」「ごもっともです」といった相づちを打ちながら話を聞いてください。ただし、やりすぎは逆効果なので注意しましょう。
2.何が問題なのかを確認する
クレーム対応では、顧客が抱いている不満や問題を確認し、把握することがとても重要になります。そのため、どんなに些細なことでもメモを取り、正確な記録を残すよう心掛けましょう。
例えば、「いつ、どこで、どんなトラブルが発生したのか」「何に不満を感じているのか」「どうしてほしいと思っているのか」などは事実関係を正確に把握するために重要なポイントです。
3.相手の要求に応えられる解決策を提示する
不満を聞き出した後は、お客様の納得がいく適切な解決策を提示しましょう。この時、こちらから一方的に提案するのではなく、顧客側に立って代替案や解決策を提案することが大切です。常識の範囲内で最大限の誠意を見せることで相手の信頼を得ることができ、顧客に不満の残らないクレーム対応を行えます。また、解決案を提案する際は、「なぜ」「何を」「どうする」「誰が」「いつまでに」「どこで」といった枠組みで提案すると相手に伝わりやすくなります。
なお、自社に非がない場合でも言葉は慎重に選びましょう。会社や法令・条例で決まっているからと突き放すことはもちろん、「我が社の商品に限って欠陥などあり得ない」「お客さまの使用方法に誤りがあったのではないか」といった回答は顧客の怒りを煽り、二次三次のクレームにつながるため注意が必要です。
4.正しい日本語に気を付ける
クレームを投げかけてくるお客さまは些細なことにも神経質になりがちなので、相手を尊重する丁寧な言葉遣いが大切です。尊敬語や謙譲語が使い分けられていなかったり、二重敬語を多用したりなど、一般的な言葉遣いを指摘されないようにしましょう。
5.言ってはいけないワードに気を付ける
普段の生活でつい言ってしまいがちな言葉でも、オペレーターの立場で言ってしまうと相手を不快にさせてしまうNGワードがあります。「絶対」と決め付ける言葉、「思います」と憶測するような言葉、「だって」と自己弁護するような言葉が代表的です。口にしないように注意しましょう。
6.お詫びと感謝の言葉を添える
無事に納得してもらうことができ、問題が収束に向かうと、つい早く電話を切りたくなります。しかしクレーム処理は最後こそ肝心です。締めの言葉として「このたびはご不便をおかけしました」「貴重なご意見誠にありがとうございました」などのお詫びと感謝の言葉を添えて、どんなことからも学ぶ企業姿勢を見せることで顧客満足度につなげましょう。
7.「自分が責められているわけではない」と自覚する
オペレーターは、お客さまからすれば企業の代表に見えるのは当然ですが、クレームの主旨はあくまで個人に向けられたものではなく商品・サービスに対するものです。自分が責められたような気持ちになって萎縮してしまったり、カッとしてキツい口調で返したりしてしまうと、クレームの矛先が個人に向かい事態が複雑化するので気を付けましょう。
クレームの対処法を知りたい方、必見
ここだけは押さえておきたい!クレーム対応マニュアルクレームを減らす方法5選
クレーム対応時に気を付けるべき点をご紹介しました。そもそもクレームをできるだけ出さないような工夫も必要です。クレームを減らすことで業務の効率化、顧客満足度の向上だけではなく、従業員のモチベーションアップにもつながります。
ここでは、できるだけクレームを出さないために取り組むべき5つの方法をご紹介します。
1.顧客を待たせない
「オペレーターにつながるまでの時間が長い」「回答を待っている時間が長い」という待ち時間に関する不満はクレームにつながります。
顧客はすぐに解決したい・知りたいことがあって問い合わせをしています。たとえ、待ち時間が数分だったとしても、顧客の体感時間はその倍以上です。
受付時間帯はできるだけ顧客を待たせることのない体制を整えておくことでクレームを減らすだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。
メールで問い合わせを受け付けている場合は、問い合わせ管理ツールを導入するのも効果的です。メール共有・管理システム「メールディーラー」は、着手すべきメールがひと目でわかり、対応漏れや遅れがなくなります。加えて、テンプレート機能やQ&A機能で対応ノウハウを共有できるので、対応時間の短縮や対応品質の平準化にも役立ちます。ご興味のある方は以下より詳細をご確認ください。
2.対応レベルを均一化する
前述の通り、一般的に多いクレームの1つとして「担当者の対応」に関するクレームがあります。こうしたクレームは、対応者のスキルや知識不足が起因となります。
誰が対応しても質の高い対応ができるように、教育や研修の実施やマニュアルの作成などして、オペレーターのレベルを均一化させるのもクレームを減らす方法の1つです。
3.再発防止策を講じる
クレームが発生した際は、クレームの原因を分析し、再発防止策を講じることで同じようなクレームを二度と起こさないよう工夫することも大切です。
また、発生したクレームの内容と防止策については、オペレーター全体に共有できる体制を整え、オペレーター一人ひとりが意識できるようにすると良いでしょう。
4.顧客自身が課題解決できるコンテンツを提供する
製品やサービスに関する問い合わせは、FAQやマニュアルなど顧客向けのコンテンツを充実させて、顧客自身が解決できるような仕組みをつくっておくのもおすすめです。
コンテンツを提供することで、問い合わせ件数自体を減らすこともできるので業務の効率化にもなりますし、問い合わせ対応が起因となるクレームの発生も抑制できます。
5.対応の記録・録音をする
問い合わせやクレーム対応時に、顧客との会話を記録・録音しておくのも手段の1つです。
何か問題が発生したときに、当時の状況を振り返ったり、証拠として活用することができます。さらに、クレーム時は顧客側が感情的になっていることがあるので、事前に録音することを伝えることで、冷静になり、落ち着いて会話を進めやすくなります。電話の録音が難しい場合でも、切電後に対応の内容をまとめた謝罪メールを送付することで、エビデンスを残すことができます。
関連記事はこちら【例文付】クレーム対応のコツとメールの書き方を解説!
クレームを解決するスキル
クレームは対応次第でこじれることも企業にとってプラスになることもあります。クレーム処理のために、オペレーターはどんなスキルをもてばいいのでしょうか。
スキル1:自分の仕事をよく知る
最も必要なのが、オペレーター自身が自分の役割をわきまえてしっかりと仕事を果たすことです。知識不足で誤った情報提供をしてしまったり、専門の担当者に引き継がずに自分自身では対応できないことを答えたりすると事態は悪化していきます。担当する商品・サービスのことをよく理解し、周囲と連携するために、常に準備しておきましょう。
スキル2:柔軟な応対をする
企業に寄せられる全てのクレームへの責任を、オペレーター1人が負うわけではありません。しかし実際は、クレームを主張する顧客は「オペレーターが企業の代表だ」と考えています。コールセンターは企業と顧客のコミュニケーションの場であることを理解して、機械的に対応するのではなく、共感や寄り添う気持ちをもって柔軟に対応するスキルが求められます。
スキル3:俯瞰して状況判断する
たいていの場合、クレームを投げてくる顧客は感情的になって怒鳴ります。事実関係と怒りの感情が絡み合って何を言っているか把握しづらいときは、冷静に「どんな事実」があって「何を要求しているか」などの状況判断を行いましょう。その上で、ベストな回答を導き出すことが重要です。
コールセンターでのクレーム対応や悩みに関する、以下の関連記事もご覧ください。
関連記事はこちらコールセンターの悩み解決!悩み別に役立つCTI機能一覧
関連記事はこちらグッドマンの法則とは?クレーム・苦情を顧客満足に変える!
クレームごとの対応事例をご紹介
お客さまのクレームごとの対応をオペレーターの模範事例とともにご紹介します。
事例1 「いつまで待たせるんだよ!」
「お客さま、お忙しいところ誠に申し訳ございません」
ガツンと怒鳴られると焦ってしまうものですが、慌てミスを起こすとさらなるクレームにつながります。まずは丁寧に謝り、落ち着いて対策を考えるよう努めましょう。
事例2 「謝ったのなら、悪いと認めたってことだよな!」
「お客さまに不快な思いをさせてしまったことにお詫びを申し上げています。商品への問題は、責任を持って調査させていただきます」
電話の時点では企業側に非があるかわからない場合もあります。謝罪のポイントが「お客さまの方から電話をさせて手間を取らせたこと」であることをはっきり伝えることが大切です。
事例3 「困るんだよ! 今すぐ家に代わりを持ってこい!」
「お手数をおかけして大変申し訳ございませんが、お手元の商品をお送りいただくことはできませんでしょうか」
「お客さまの家に商品を持っていく」という行動をオペレーター個人の一存で判断するのは難しいので、決められた返品・交換のルールを案内するのが基本です。
事例4 「思ってたのと違う! 金返せ!」
「どのような状況か、詳しいお話をお聞かせ願えますでしょうか」
どんな場合でも返金について簡単に発言するのは禁物です。まずは、お客さまがなぜ不満に思っているのかを具体的に聞き出すことが大切です。
事例5 「はじめから聞いてたら買わなかった!」
「お客さまのお望みを充分に理解できずご案内してしまったようです。大変申し訳ございませんでした。」
原因を探るために、お客さまがどのようなプロセスで商品を購入したかを確認します。店員に誤解を招くような発言はなかったか、セールスコピーに説明不足はなかったかなどを聞き出しましょう。
事例6 「話をするたびに言ってることが違う!」
「ただいま内容を確認させていただきます。誠に申し訳ございませんが、少々お待ちください」
対応履歴の内容を確認し、企業として正しい内容を改めて案内する必要があります。
事例7 「事実なんてどうでもいい!腹が立ってるんだ!」
「お気に触ることがございましたら、大変申し訳ございません。誤解を招かぬよう、以後気を付けます」
たとえお客さまの思い違いがきっかけだったとしても、お客さまを直接責める言葉遣いは避けましょう。
事例8 「このことをSNSに書き込んでやる!」
「状況をお伺いしてよろしいでしょうか? 私どもの方からの情報公開を検討させていただきます」
書き込まないようお願いすると「口止め」とも捉えられかねません。SNSに書き込むかどうかは個人の自由なので、その点には触れないでおくのが得策です。
事例9 「てめぇ、殺されてぇのか!」
「そのようなご発言が続きますと、警察に相談させていただくのが当社の決まりになっております」
度を超えた暴言が続く場合は、毅然と対応しなければならないこともあります。
事例10 「俺をクレーマーとでも言うのか!」
「いいえ、決してそのようには申しておりません」
何を言っても怒鳴ってくる人には、思わず「クレーマーですね」とは言ってしまいたい時もありますが、ここはプロとして冷静に対応してください。
クレーム対応にも役立つ!CRMシステム導入のメリット
応答率の向上
コールセンターの品質を測るKPIに「応答率」があります。顧客からの入電にオペレーターが「応答した確率」を示すもので、「応答率が100%」は入電の数以上のオペレーターが待機している状態です。「応答率が低い」とは、入電数に対してオペレーター数が足りずに顧客を待たせている状態を表します。
顧客としては、つながらない時間が長くなるほどに不満が募るものです。やっとオペレーターにつながった頃には、怒りが爆発してしまうという事態も招きかねません。当初はクレームを言うつもりがなかった場合でも、電話がなかなかつながらないという事実そのものがクレームの対象になってしまうこともあります。
応答率の向上に努めることは、コールセンターの重要な取り組みのひとつと言えるでしょう。
CRMシステムを導入していれば応答率を時間帯や曜日、シーズン別といった軸で集計できるので、オペレーターの人員配置の最適化を目指せます。結果として応答率の向上につながり、余計なクレームの回避につながります。
関連記事はこちらコールセンターのKPIは応答率?応答率の落とし穴もご紹介
離職率の抑制
常にクレームを受ける可能性と隣り合わせのオペレーターは、潜在的なストレスを抱えがちです。
実際にオペレーターは、クレームを抱えた顧客から不満を直接ぶつけられます。理不尽な物言いをされて、オペレーター自身に落ち度はないのに落ち込んでしまうこともあるでしょう。これらのことが一因となり、他業種よりも離職率が高くなっていることがコールセンター業界全体の課題となっています。離職率が高いということは常に新しいオペレーターへの教育を行わなければならず、未熟なまま顧客応対にあたらざるを得ない新人もでてきてしまうでしょう。結果として応対中のクレームが起きやすい状態になってしまいます。
オペレーターの離職率抑制の観点からも、CRMシステムの導入はメリットがあります。
例えばCRMシステムには手入力を簡素化する機能があり、PC操作が苦手なオペレーターの負担を軽減させることが可能です。モニタリング機能を使えば、スーパーバイザーや管理者が顧客応対中のオペレーターにタイムリーなアドバイスを投げることも可能です。
過去に過剰なクレームのあった顧客からの着信をポップアップで把握できる機能を活用すれば、最初から管理者に電話を受けてもらうことも可能です。そのため、新人オペレーターがクレーマーに直接応じなくてもいいように、調整ができます。
このように、CRMシステムの導入はオペレーターの技術的・精神的な支えになると言えます。
関連記事はこちらコールセンターの「離職率」を改善するには?リスクや解決法を紹介
CRMシステムを活用したクレーム対処法
クレーム対応の質を高めて顧客満足度の向上を目指すなら、CRMシステム(顧客管理システム)を活用してデータの蓄積を行うのが得策です。以下では、CRMシステム導入によるメリットをご紹介します。
エスカレーションによるクレームの早期収束
CRMシステムを導入することで、オペレーター間や各部門への情報共有がスムーズになります。こうすることで、エスカレーションをより効率的に行えるようになります。なお、エスカレーションとは、オペレーターだけでは解決が難しいクレームの電話を上司や専門職者に交替し、代わりに対応してもらうことです。
エスカレーションをスムーズに行うことによって顧客の待ち時間を減らせる他、責任者が対応してくれるという満足感を顧客へ提供できます。またCRMシステムによって受け付けた内容を転送できるので、SV(スーパーバイザー)に間違った内容を伝えることを防げる上、対応した内容のデータを蓄積することでオペレーターの教育に活かすことが可能です。
なおSV(スーパーバイザー)とは、オペレーターの育成やマネジメント、監督を行う管理者のことを指します。
関連記事はこちらエスカレーションの3つの課題と具体的な解決方法をご紹介
ノウハウの蓄積による対応力の向上
CRMシステムでは、購買履歴や購買頻度、志向など、より詳細な顧客情報を蓄積・管理できます。これらの情報はすぐに確認できるため、問い合わせ時やクレーム対応時に活用すれば、情報確認の手間を短縮でき、顧客を待たせることなく応対ができます。
加えて、顧客ごとにクレーム情報を集約できるのも魅力のひとつです。無事に処理できたクレーム対応の内容を研修に利用すれば、成功のノウハウをスタッフ全員に共有でき、クレーム対応力の底上げにつながります。
FAQの充実による検索性の向上
苦情内容のデータを蓄積することにより、クレーム関連のFAQ(よくある質問)の充実化を測れます。トラブル内容別にFAQをまとめれば、「電話がつながらない」「忙しくて連絡できない」という方にも問題解決の方法を提示することが可能です。
またFAQの内容と返答を覚えることで、SVにエスカレーションすることなく応答できるため、クレームの早期解決につながり顧客満足度の向上が期待できます。この他、FAQをマニュアル化することで研修などにも活用できますし、FAQをCRMシステムの中に作ることもできるので、オペレーターがキーワードで検索し、わからない質問に対しても即時に回答するといった運用も可能になります。
なお、FAQは常に最新の情報を反映していることが大切です。商品やサービスの情報が変更になった場合は、迅速に刷新しましょう。
関連記事はこちらコールセンター向けFAQシステム活用のメリットとは?
メール対応におけるクレーム防止
コミュニケーションツールは電話だけではなく、主な手段がメールの場合もあるかと思います。日頃のメール対応を適切に行うことで、電話でのクレームが大きくならずに済むこともあります。
メール対応を適切に行うためにはメールディーラーが便利です。複数人で分担して問い合わせ対応を行う際に起こりやすい「対応漏れ」や「二重対応」を、チーム全員のメールの対応状況を見える化することで防止できます。ご興味のある方は以下より詳細をご確認ください。
クレームの対応はCRMシステムを利用すればより満足度の高いものになる
コールセンターでは、顧客に寄り添ったクレーム対応を行い、かつ迅速に問題解決へと導くことが大切です。上記でご紹介したクレーム対応の7つのポイントを押さえることはもちろん、スタッフのクレーム対応力の向上のためにCRMシステムを導入するのもおすすめです。CRMシステムなら応対中に顧客情報を確認できる他、蓄積したデータを研修に活かすことも可能なため、より質の高いクレーム対応を行うことができます。クレーム対応のことでお困りの方、ぜひ上記を参考にしてみてください。
関連記事はこちらCRMシステムで担当・部門間の引き継ぎをスムーズにしよう!?
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。