コールセンターの「離職率」を 改善するには?リスクや解決法を紹介
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンター業界は他の業界よりも離職率が高いといわれます。そのため、コールセンターの多くは、SVやマネージャーが知恵をしぼって解決策を見出そうと日々奮闘しています。ところが、やはりなかなか定着しないのが実態です。なぜオペレーターの離職率は高いのか、リスクや解決法としてなにが考えられるのか。今回は、コールセンターの離職率について考えます。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。
着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。
クラウド型コールセンターCRMシステム「楽テル」資料請求はこちら(無料)
目次
オペレーターの離職によって
おこるリスク
オペレーターの離職率が高いことによる悪影響とは一体どんなものでしょうか。オペレーターの離職によっておこるリスクについてお話します。
広告出稿費が無駄になる
まずは費用面のリスクです。コールセンターのオペレーターを採用するにあたり、求人広告へ出稿したコストが無駄になるリスクがあります。一度に複数名を採用していれば、そのうちの一部が離職したぐらいでは想定内の事象として許容されるかもしれませんが、コールセンターの運営にあたっては最低限必要な人員数を割ってしまった場合は、人員確保のために追加募集をかける必要がでてくるでしょう。
研修や教育が無駄になる
入社したばかりの新人オペレーターにはベテランのオペレーターが指導をおこないます。とりわけ最初の頃は、座学での研修やスキル指導などで時間を要することもありますが、いざ独り立ちという時にオペレーターが離職すると、新人の研修や教育のために割いた労力と時間のすべては無駄になってしまいます。こういった事態は予想できない場合も多いので、対処が後手に回ってしまいがちです。
業務に支障をきたす
オペレーターがすでに一人前なのかまだ半人前なのかにもよりますが、オペレーターが急に離職することで当面の業務に大きな支障をきたすことがあります。常識的に考えれば最低でも離職する一か月前までには上長に申し出るものですが、やむを得ない「一身上の都合」によって突然離職となってしまうこともしばしばです。
そのしわ寄せはほかのオペレーターの業務量が拡大したり、休日出勤させられたりすることで補われる可能性があります。残されたオペレーターも大変ですが、これらを采配し直すこととなる管理者層はもっと大変だといえるでしょう。
お客様からのクレームが増加する
オペレーターの離職率が高いということは、残されたオペレーターに業務の負荷がかかりやすい状態ともいえます。さらにはマンパワーの補填に、経験の少ない人材を投入しなければならない状況かもしれません。こうした疲弊した体制では顧客応対業務一つひとつのクオリティを保つのが難しくなってしまいます。その結果、通常なら滞りなく応対できる問い合わせ内容でもお客様の不満を増幅させてしまい、多くのクレームを引き起こしてしまうこともあります。
新人の教育・フォローにリソースを割く必要がある
離職により欠けた人材を新たに補った場合、自社のコールセンターのマニュアルや商品・サービスの知識、ビジネスマナーなどを習得させる必要があります。そのためには、ベテランオペレーターやスーパーバイザーなどの優秀な人材の能力や時間といったリソースを割かなければならなくなります。
残った人材に負荷がかかる
オペレーターの離職が増えて人材が減少すると、残ったメンバーでこれまでと同じ量の仕事をこなさなければならなくなります。特に勤続年数が長いオペレーターが辞めてしまうと、その分のフォローは一人のオペレーターだけでは務まらないかもしれません。
さらに、残った人材のスキルでは顧客の求める対応ができず、クレームが増えてしまう事態なども考えられます。
このようにオペレーターの離職が重なると、残された人材にとって負担が大きくなるといえるでしょう。
現場の雰囲気が悪化する
一緒に働いていたオペレーターの離職が続くと、残ったオペレーターは「また辞めたのか」と気分が落ち込むこともあるでしょう。「このコールセンターで働いていても良いのか」などと一度でも疑問を持ってしまうと仕事へのモチベーションが下がり、その空気感は他のオペレーターにも広がってしまいます。
通常の業務においても「人が足りていないからできない」と言い訳をして努力を怠るオペレーターがでてくる可能性も考えられます。そうなるとより現場の雰囲気が悪化し、新たな離職者を生んでしまうという悪循環を招く恐れがあります。
コールセンター離職の理由
他方、コールセンターの離職率を高めているオペレーターの離職理由はどんなものなのでしょうか。主に次のような理由があげられます。
想像以上に大変だったから
「未経験者歓迎」「学歴不問」「髪型・服装自由」などの謳い文句に誘われてコールセンターに入社したものの、想像以上に大変だったという声をよく耳にします。
実際、コールセンターのオペレーターには高い電話応対スキルが必要です。インバウンドとアウトバウンド、取り扱う商材によって必要となるスキルはさまざまですが、顔の見えない電話口の相手に対して口頭で満足させなければならない点では同様です。膨大な専門知識が必要なインバウンドや、営業ノルマのあるアウトバウンドの業務を実施するコールセンターの現場では、一人前になる前に離職する人が目立つようです。
バイト・派遣だから
コールセンター業界にはバイトと派遣社員の数が多い特徴があります。まずコールセンター側の事情としては大量に正規雇用を採用することが困難な現状があるためです。なぜなら、コールセンターの運営は繁閑の差が大きい場合があるためです。たとえば、取り扱う商材によっては限定された期間のみ大量のオペレーターが必要というような事情があります。
一方で、雇用条件の良さに惹かれてコールセンター業界に入社する学生やフリーターの人は多いです。先述の「想像以上に大変だったから」という理由に加えて、「どうせバイト(派遣)だし」という点も、離職のしやすさに影響しているといえます。
研修などのサポートが不十分だから
新人研修やフォローアップ研修などのサポート体制が不十分であることも、離職につながりやすい大きな原因と考えられます。入ったばかりの新人が難易度の高いクレーマー対応を行っていたり、応対件数や後処理時間といった数値ばかり追求されて適切な指導がなかったりといった環境では、個人の努力だけでは頑張り続けることは難しいものです。
精神的に追い詰められるから
業務に対する相談だけでなく、クレームへの不安感や職場への不満などを吐き出す機会がないとオペレーターの精神的な負担が蓄積し、離職につながる大きな理由になってしまいます。
理不尽なクレームへの対応は、本人が自覚する以上に疲労感が心に沈澱することがあると考えておかなければなりません。個人のスキルや心の持ちようだけでは、クレームによって被る精神的負担を逃れることは難しいでしょう。
そのほかに、無用なプレッシャーを与えて追い詰めてしまうことがあります。適切なノルマは個人の努力を引き出しますが、現実的ではない数字を課していないか、未達成時のペナルティが厳しすぎないかなどは常に注意を払う必要があります。
コールセンターによる離職率の違い
離職率が高いコールセンター、低いコールセンターにはそれぞれの特徴が見受けられます。ここでは、離職率の程度で2つに分類して特徴をご紹介します。
離職率:高 オペレーターへの対価が低いコールセンター
覚えることが多すぎる、ノルマがきつい、クレーム件数が多いなど、オペレーターには業務量の面だけでなく精神面でも相当な負荷がかかります。それにもかかわらずオペレーターの報酬が低い場合、不満が大きくなり離職率が高くなる傾向にあります。さらにオペレーターが仕事の裁量権を持たせてもらえない場合も、モチベーションを低下させ離職率を高める要因になります。
離職率:低 オペレーターのやりがいを大切にするコールセンター
オペレーターの負担を鑑みて他部署よりも報酬を手厚くしているコールセンターは、離職率が低い傾向にあります。加えて、オペレーター研修をしっかり行った上で仕事の裁量権をある程度与えることも、やりがいを喚起するので離職率を抑えることができます。
離職率管理の目安
コールセンター設立当初の1年間は、離職率がおよそ50%になるといわれています。
オペレーターの多くをバイトやパートなどの非正規雇用で構成しているコールセンターでは、年間離職率36%が平均的な目安といわれています。それを超える数値になれば「離職者が多すぎる」と判断し、何らかの対策が必要になります。
コールセンターの離職を防止するには
オペレーターの離職率を抑えるには、スムーズに業務をまわせるようなシステムの導入を検討しましょう。SVやマネージャーがさまざまなアイディアを実践するのではなく、技術面で解決してしまったほうが早い場合もあります。
コールセンターシステムを導入する
たとえばコールセンターシステムの導入によって、オペレーターの手入力業務の簡素化につながります。これによってPC操作が苦手でストレスを感じていたオペレーターの離職率は軽減できるかもしれません。
ほかにもモニタリング・アドバイスができる機能を使えば、オペレーターと顧客間の通話を一緒に聞きながらささやかにアドバイスをすることが可能です。これによって電話応対スキルに不安のあるオペレーターの負担の軽減につながり、離職率の抑止が期待できます。
以上のように、コールセンターシステムの力を借りることで管理者層はオペレーターをフォローできるため、オペレーターにとっては働きやすい環境になっていくでしょう。
採用時に適性チェックをおこなう
オペレーター個人の資質を重視した面接をおこなうことで、採用後のミスマッチを回避します。
前向きでポジティブな姿勢があるか(積極性)、自分と違う考えに理解があるか(協調性)、相手の意図を汲み取ることができるか(洞察力)などから、オペレーターという職種に適した人材を見極めることがポイントです。
面接時には人事担当者だけでなく、現場をよく理解しているSVも同席させるといいでしょう。面接での受け答えや様子などから、適任かどうかが判断しやすくなるためおすすめです。
オペレーターの心理的負担を軽減する
オペレーターの心理的負担のケアを多角的におこない、モチベーションの低下を防ぎます。
SVとの面談の場を設けて不満や心労の声を汲み取ることや、業務中にこまめに声かけをして自信を持たせるなど、組織がオペレーター一人ひとりのストレスに気づいてケアすることが重要です。
オペレーターの働きを正しく評価する
優秀な人材を引き留めるためには、報酬面の見直しや処遇面での優遇、バイト・派遣から正社員への登用など、働きを正当に評価することが欠かせません。こうした長期にわたって働ける環境づくりは、離職率を防ぐために効果的です。
充実した研修制度・フォロー体制を整える
ひと口に「コールセンターのオペレーター」といっても、現場ごとに課題や必要なフォロー体制はさまざまです。基礎的なビジネスマナーや業務マニュアルを身につけさせるための新人研修はもちろん、個人の能力に合わせたフォローアップ研修、ストレスに対するメンタルフォローなど、各方面のサポート体制の充実をはかることが重要です。
柔軟な働き方に対応する
コールセンターの現場で活躍するオペレーターの中には、子育てや介護といった事情を背景に柔軟な働き方を望んでいる方もいるでしょう。フレックス勤務や時短勤務、在宅勤務などさまざまな勤務形態を選択できる制度を設け、多様な人材が活躍できる組織にしていくことも離職率の改善につながります。
まとめ
コールセンターの離職率を改善するために管理者層が知恵をしぼることは大切ですが、テクノロジーの力を借りることで簡単に解決できることもあるのです。加えてオペレーターの離職率を抑えることによって、管理者層自身の負担を減らすことにもつながります。コールセンターシステムの導入をぜひとも検討してみてください。
関連記事はこちらコールセンターの課題5つと具体的な解決策 | 楽テル
最新記事
記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。