コールセンター文字起こし(テキスト化)を簡便化する音声認識システムとは
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンターでは、顧客とのやり取りを文字起こし(音声テキスト化)するサービスが利用されることがあります。文字起こしはなぜ必要なのか、また、文字起こしを自動化するシステムの選び方や使いこなすポイントについて解説します。
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目次
コールセンターで文字起こし(音声テキスト化)はなぜ必要?
コールセンターでは、顧客とのやり取りを文字起こし(音声テキスト化)することがあります。従来のように電話でやり取りするだけでも顧客のニーズに応えられますが、よりよいサービスを提供するためには文字起こしが必要です。
文字起こしが必要とされる主な理由としては、次の点が挙げられます。
- 問い合わせ内容を視覚的に確認できるから
- データとして蓄積しやすいから
- FAQを作成できるから
- 対応漏れを防げるから
- オペレーター教育に活かせるから
- オペレーター向けのマニュアル作成に活かせるから
- オペレーターの離職防止につながるから
それぞれの理由について見ていきましょう。
問い合わせ内容を視覚的に確認できるから
顧客の問い合わせ内容を音声だけで確認すると、聞き洩らすことがあります。たとえば、顧客が早口のときや声が小さく聞き取りにくいときなどは、聞き返さなくてはなりません。顧客に迷惑をかけてしまうだけでなく、やり取りに時間がかかり、次の顧客を待たせることになってしまいます。
しかし、文字起こしツールを利用すれば、顧客に聞き返さなくても、問い合わせ内容を視覚的に確認できます。スムーズに顧客が必要な情報を提供でき、お互いにストレスを感じにくくなるでしょう。
また、顧客とのやり取りを保管して後で確認する場合も、音声のままなら再生しないと内容がわかりません。テキスト化しておけば、視覚的かつ即座に内容を把握でき、確認作業の手間を軽減できます。
データとして蓄積しやすいから
顧客とのやり取りをテキスト化すると、データとして蓄積しやすくなります。データを分析して、アプローチする顧客の優先順位をつけたり、新たな顧客ニーズを発見できたりすることもあるでしょう。
また、テキストデータとして収集すると、キーワード検索も活用できるようになります。自社のどの商品・サービスへの関心が高いのか分析したり、顧客に訴求するポイントを見つけたりしやすくなります。
FAQを作成できるから
顧客とのやり取りをテキスト化すると、どのような問い合わせが多いのか分析しやすくなります。よくある質問と答えをFAQとしてまとめてホームページやハンドブックとして公開すれば、コールセンターに問い合わせなくても顧客はトラブルを解決できるようになります。
コールセンターに対して「電話がつながりにくい」「面倒だ」というイメージを持つ顧客も一定数いるため、FAQの作成は顧客満足度の向上にもつながるでしょう。また、コールセンターへの問い合わせ数も減り、オペレーターの業務負担の軽減や、顧客の待ち時間の短縮も実現できます。
対応漏れを防げるから
顧客によっては、1回の問い合わせで複数の質問や要求をすることがあります。音声だけで確認していると、対応漏れが起こりがちです。
文字起こしツールを使ってテキストとして確認すれば、顧客のすべての質問や要求を一目でチェックできるため、対応漏れを防げます。対応漏れが起こると、顧客は同じ話を繰り返すか、再度コールセンターに電話をかけなくてはいけません。顧客に不便を強いないためにも、問い合わせ内容のテキスト化は必要です。
オペレーター教育に活かせるから
オペレーターのスキル向上のためにも、言葉遣いや対応を定期的にチェックすることが必要です。文字起こしツールを使って、顧客とのやり取りをテキストデータ化すれば、オペレーターの言葉遣いや対応を確認しやすくなります。
また、言葉遣いや対応の適切さは、オペレーターの教育だけでなく、評価にも活用できます。スキルを適切に評価すれば、オペレーターのモチベーションアップにもつながるでしょう。
オペレーター向けのマニュアル作成に活かせるから
よくある質問と理想的な回答をマニュアル化すれば、オペレーターの負担を軽減できます。問い合わせの内容をオペレーターがキーワードで検索すると、マニュアル内から適切と想定される回答が表示されるようにシステム化しておくと、回答までの時間短縮も可能です。
また、マニュアルを作成すると、オペレーターによって答えが違うといったトラブルも減らせます。顧客に正しい情報を提供できるようになり、顧客満足度の向上につながります。
オペレーターの離職防止につながるから
文字起こしツールを使わず、問い合わせ内容をテキスト化しないときは、オペレーターは顧客の言葉を一字一句聞き逃すまいと気を張りつめます。1日中張りつめているのは、ストレスフルです。オペレーターにかかる精神的な負担が大きく、離職を考えるようになるかもしれません。
また、対応漏れや回答までの時間の長さ、待ち時間の長さから、顧客がストレスを感じてオペレーターに当たってしまう可能性もあります。オペレーター側も強いストレスを感じ、仕事の継続が難しくなるかもしれません。
しかし、文字起こしツールを使って問い合わせ内容をテキスト化してマニュアルを作成すれば、オペレーターの作業負担を軽減できるだけでなく、ストレスも軽減しやすくなります。離職防止にもつながり、企業にとっては採用コストや新人教育コストの軽減も実現できます。
電話の文字起こしを自動化する音声認識システムとは?
音声認識システムとは、電話でのやり取りを自動的に文字起こしするシステムです。次の流れで文字起こしを実施します。
- 人間の声をコンピュータに認識させる
- 認識した声を文字に変換する
- 変換した文字をテキストデータとして表示・保管する
なお、ディープラーニング技術を搭載しているシステムなら、使い続けることで、文字起こしの精度が向上します。
コールセンターに適した音声認識システムの選び方
音声認識システムの種類は多く、それぞれ機能や特徴、費用などが異なります。どのシステムを選ぶか迷ったときは、次のポイントに注目してください。
- 問い合わせ内容を視覚的に確認できるから
- データとして蓄積しやすいから
- FAQを作成できるから
- 対応漏れを防げるから
- オペレーター教育に活かせるから
- オペレーター向けのマニュアル作成に活かせるから
- オペレーターの離職防止につながるから
それぞれのポイントを解説します。
音声認識の精度、チューニング方法
音声認識の精度が高いと、顧客の問い合わせ内容を誤解することがなくなり、適切な対応ができるようになります。音声認識の精度を左右するのがチューニングです。チューニングとは音声認識を適切な状態にアップデートすることで、継続的にチューニングを行うことで、認識精度が向上します。
なお、チューニング方法は主に次の3つです。
- ベンダー側がチューニングする
- ユーザー側がデータを読み込ませる
- ディープラーニング技術を搭載しているものを選ぶ
ベンダー側がチューニングするときは費用が発生し、ユーザー側がデータを読み込ませる場合は手間がかかる点に注意が必要です。一方、ディープラーニング技術を搭載している音声認識システムなら、無料で自動的にチューニングでき、常に適切な状態に維持できます。
導入費用、ランニングコスト
音声認識システムは、導入費用だけでなくランニングコストもかかります。事前に予算を決めておくのはもちろんのこと、費用対効果を検討してから導入するようにしましょう。
将来的にコールセンター業務が増えることで、より高度なデータ処理能力が必要になるかもしれません。データ処理能力をどの程度まで増やせるのか、また、追加費用がどのくらいなのかも確認しておきましょう。
他のシステムとの連携
すでに利用しているシステムと音声認識システムを連携させることで、利便性が高まることがあります。たとえば顧客情報を管理するCRMと連携できれば、電話番号で自動的に顧客情報を呼び出し、画面表示できるかもしれません。また、顧客の問い合わせ内容をCRMに保管し、マーケティングに活かせることもあります。
より便利にコールセンター業務を進めるためにも、既存のシステムと連携できるかどうかも確認してから導入しましょう。
AIによるテキスト要約
顧客とのやり取りをテキストデータ化することで、オペレーターの教育やマニュアル作成などのさまざまな場面で活用できます。しかし、データが増えると、一通り目を通すだけでも時間がかかり、集計や分析も煩雑になってしまう点に注意が必要です。
AIによるテキスト要約機能があれば、短時間で情報を理解でき、テキストデータも活用しやすくなります。顧客からのリアルなデータを有効活用するためにも、テキスト要約機能があるか確認しておきましょう。
分析支援サービスの有無
音声認識システムの中には、文字起こしだけでなく、テキストデータの分析にも対応しているものがあります。
顧客とのやり取りをデータ化しても、分析しないで放置しておくなら、オペレーターの対応改善やマーケティングに活用できません。音声認識システムに分析機能があるか、また、分析機能が搭載されていない場合は、他の分析システムと連携しやすくなっているかチェックしておきましょう。
セキュリティ
コールセンターでの会話には、顧客の大切なデータが含まれています。音声認識システムでデータ化するときには、高水準のセキュリティを備えていることが必要です。
たとえば、クラウド型の音声認識システムを利用する場合であれば、アクセス方法の制限や利用したデータの自動削除機能などがあると、安心して利用できます。導入する前にセキュリティも要チェックです。
アフターサービス
利用中にトラブルが生じることも想定されます。アフターサービスが充実しているシステムを選ぶようにしましょう。
また、使い方に不明点があるときも、マニュアルだけではなく、担当者が対応してくれると安心です。チャットサービスや電話での対応があるのかも、確認しておきましょう。
音声認識システムのコールセンターでの活用事例
音声認識システムをコールセンターに導入するときは、解決したい課題や目的を明確にしておくことが必要です。実際の導入事例から、どのような効果が期待できるのかチェックしてみてください。
対応時間の削減
ある金融機関では、AI音声認識システムをコールセンターに導入し、顧客への回答候補をオペレーターのパソコン画面に自動表示させる仕組みを構築しました。スムーズに対応できることで、顧客あたりの対応時間が大幅に減少しています。
顧客の待ち時間も短縮され、満足度の向上にもつながっています。また、画面をチェックするだけで適切な回答を得られるようになったことで、オペレーターの教育費用も削減しました。
オペレーターのスキルを可視化
あるコールセンターでは、音声認識システムを導入したことで、オペレーターの効率的なスキルアップが実現しました。音声認識システムによって得たフィードバックをすべてのオペレーターに行ったことで、客観的かつ正確な評価が可能になったこともスキルアップの一因と考えられます。
元々このコールセンターでは体系化された運用ノウハウを有していましたが、オペレーターが十分に使いこなしていないことが問題視されました。音声認識システムによりオペレーター各自が能力を伸ばしたことで、既存のノウハウを使いこなせるようになり、業務効率化も実現しています。
音声認識システムを使いこなすポイント
音声認識システムをよりよいサービスの提供や顧客ニーズの分析につなげるためにも、システムの機能を使いこなすことが必要です。音声認識システムを導入するときは、次のポイントに注目しましょう。
- ヘッドセットを利用する
- オペレーターに復唱を徹底させる
- 精度向上に時間がかかることを理解する
それぞれのポイントについて解説します。
ヘッドセットを利用する
音声認識システムにより文字起こしが自動的にできるようになっても、システムが音声を誤認することや、質問の意図を正確に把握しないことも想定されます。テキストにより視覚的に顧客の問い合わせ内容を確認するだけでなく、音声でも確認し、よりスムーズなやり取りにつなげていきましょう。
ヘッドセットを利用すれば、顧客の話し声が聞き取りやすくなり、誤認を回避しやすくなります。また、オペレーターが会話に集中できるように、周囲の音に気を取られない環境づくりも行いましょう。
オペレーターに復唱を徹底させる
オペレーター側(=コールセンター側)が聞き取りやすい環境でも、顧客側が騒音のある環境のときは聞き取りにくくなってしまいます。誤認を防ぐためにも、顧客の問い合わせ内容を復唱することをオペレーターに徹底させましょう。
復唱することで時間がかかるようになりますが、誤認を回避できれば、トータルで見れば対応時間の短縮につながります。また、ディープラーニング技術を搭載している場合は、復唱することでAIの学習回数が増え、音声認識の精度向上にも寄与します。
精度向上に時間がかかることを理解する
ディープラーニング技術を搭載している音声認識システムなら、ベンダー側やユーザー側がチューニングする必要がないため、手間をかけずに認識精度の向上が可能です。
しかし、学習する期間がかかるため、導入してからしばらくは誤認が生じる確率も比較的高いと考えられます。最初から完璧を求めるのではなく、ある程度の時間がかかることを理解したうえで導入しましょう。
コールセンター以外の音声認識システム活用シーン
コールセンター以外でも、音声認識システムは活用できます。主な活用シーンとしては、次のものが挙げられます。
- 会議
- 医療現場
- 対話型ロボット
- 字幕作成
それぞれのシーンで、音声認識システムがどのように使われるのか見ていきましょう。また、文字起こしができることで、どのようなメリットがあるのかについても解説します。
会議で活用する
会議では書記が発言内容を議事録として記録しますが、声が聞き取りにくいときや、議題とは直接関係のない発言については記録に残せない、あるいは意図的に残さない可能性があります。また、小規模の話し合いや書記を配置できないときは、議事録を取らないまま進行することもあるでしょう。
音声認識システムを利用すれば、会議の記録を正確に残せます。また、雑談や議題とは直接関係のない内容も記録すれば、事業のアイデアとして後日役立つこともあります。
医療現場で活用する
医療現場では、医師は患者と話しつつ、聞き取った内容や所見をカルテに残します。しかし、カルテ作成に集中すると患者との話に集中できず、反対に患者と向き合う時間を長くするとカルテ作成が疎かになることも想定されます。
音声認識システムを導入すれば、患者との会話や所見を余すところなく記録することが可能です。その場では気付かなかった見立てや治療法に後で気づけることもあり、より慎重な診断が可能になります。
対話型ロボットに活用する
駅や施設のインフォメーションセンターに、対話型ロボットや多言語音声認識ロボットが設置されていることも増えています。これらの音声対応ロボットに音声認識システムを活用することで、会話の応答品質向上が期待できるでしょう。
また、ロボットとユーザーの会話をデータ化して分析すれば、ユーザーニーズの把握が可能になります。よくある質問と答えをFAQとしてまとめ、画面に表示しておけば、ユーザーの疑問解決までの時間を短縮でき、顧客満足度向上にもつながります。
字幕作成に活用する
動画に字幕をつけると、耳が聞こえにくい人や音声を消して動画を楽しむ人にも有用な情報を提供できます。音声認識システムを活用して音声データをテキスト化すれば、自動で字幕作成が可能です。
商品やサービスの使い方紹介や企業イメージ向上などを目的として、動画を利用する企業・個人も増えてきました。多くのユーザーに見てもらうためにも、字幕をつけるほうがよいでしょう。
まとめ
音声認識システムを導入することで、コールセンターの応答品質向上や対応時間の短縮などを実現しやすくなります。また、オペレーターの業務負担を軽減し、離職率の低下につなげられるだけでなく、顧客満足度の向上も目指せます。
蓄積したデータを分析する機能が搭載された音声認識システムなら、顧客ニーズの発見やマーケティングにも有用です。紹介したポイントも参考に、自社に合う音声認識システムを見つけてください。
また、CRMと連携することで、問い合わせ内容も顧客データとして保管し、セールスにつなげられます。効率のよい営業を実施するためにも、CRMと連携できる音声認識システムを選びましょう。
使いやすさにこだわってCRMを選びたい方には、クラウド型CRMの楽テルがおすすめです。着信と同時に顧客情報をパソコンのモニターに自動表示される機能や入力漏れアラート機能など、オペレーターの業務負担に役立つ機能が豊富に搭載されています。
利用料金は月額80,000円から、初期費用は150,000円~です。コールセンター向けCRMの導入をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。