正論は時に人を追い詰める。
「ロジハラ」を起こす心理とその危険性
こんにちは!楽テルコラム担当です。
オペレーターとして顧客の声に耳は傾けても、同僚や部下にはつい正論で論破していませんか?場合によっては相手から「ロジハラ(ロジックハラスメント)」だと捉えられかねません。昨今よく耳にするロジハラについて、コールセンターを舞台に解説します。
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目次
「ロジハラ」とは
性別や立場などを振りかざして相手を攻撃する「ハラスメント」行為にはさまざまなジャンルがありますが、昨今、新たなハラスメント「ロジハラ」がメディアなどで話題になっています。
ロジハラとは、ロジックハラスメント(logic harassment)の略で、論理的(ロジカル)な言葉で相手をねじ伏せ追い詰めていく行為を指します。
正論だからといって人格を傷つけるような発言をしていては、それはハラスメントになります。ロジハラ被害者が、正論であるが故に何も言い返せず多大なストレスを溜めているにもかかわらず、ロジハラ加害者は自分が悪いとは微塵も思っていないものです。
つまり、ロジハラは加害者の意見が「決して間違っていない」ことに問題の根深さがあると考えられます。
ロジハラをしてしまう人の心理
人はなぜロジハラをしてしまうのでしょうか。主な3つをピックアップしてみました。
正義感を主張
ロジハラをする人に多いのは、社会のルールや常識において「論理的に正しいこと」が何よりも正義であると思っているタイプです。このような人は「誤った意見は正すべき」「正しい意見を私が言ってあげなければならない」と考え、意見が通るまで主張を続けます。
会話のたびにこうした「〇〇すべき」を押し付けられていては、相手の心は疲弊するばかりです。
共感力の欠如
「共感力」が低いタイプの人も、相手の立場をイメージできずロジハラをしがちです。「なぜこのような状況になったのだろう」と相手の置かれた境遇が想像できれば、発言の仕方も変わり、聴く側の受け取り方も変わります。
状況を理解しようとせずにただ正論をぶつけるのは、大人のコミュニケーションとは言えません。
言い負かすことへの快感
プライドの高い人も、ロジハラの加害者に陥りやすい傾向にあります。ツッコミどころがないほどの理論武装をして、相手よりも自分が優位であると誇りたいのだと考えられます。無意識に相手よりも常に上位で居続けようとするため、つい相手が何も言い返せなくなるほどに強く「口撃」してしまいます。
そのほかに、論破して快感を得ることが目的となってしまっている人も、あらゆるシーンでロジハラを多発させている恐れがあります。
コールセンターの現場で発生しやすいロジハラ
では、コールセンター内ではどのようなロジハラが起こりやすいのでしょうか。
上司が正論を振りかざし部下を追い詰める
ロジハラは、SV(スーパーバイザー)がオペレーターを「教育」する場面で起こりやすいと言えます。
例えば、オペレーターがミスを起こしてしまった際にSVが「ミスをしたことを反省させなければ」「このミスがどれほどの損失につながるか理解させなければ」などと語気が強くなってしまうケースです。
教育として、ミスを注意すること自体は必要ではありますが、ミスの原因に耳を傾けずくどくどと一方的に正論を並べるのはロジハラと受け取られてしまいます。この正論がエスカレートして人格や尊厳を否定するようになると、組織的な上位の立場を振りかざす「パワハラ(パワーハラスメント)」とも捉えられてしまい、トラブルの深刻化につながりかねません。
ミーティング時に論破する
ミーティング時に論理的根拠の薄い発言を聞くと、ここぞとばかりに正論を並べて論破してしまうケースもあります。このようなことがあるとロジハラで追い詰められた人はすっかり萎縮し、今後の発言を控えてしまうでしょう。
ミーティングでは、思いもよらない視点から新たな発想が生まれる場合もあります。ロジハラが横行する職場は空気が重く、結果として自由で有意義な意見をも排除してしまう可能性があります。
指導された側が「ロジハラだ!」と被害を訴える
正論を受けた側が過剰に反応し、「論破してくる!ロジハラだ!」と被害を強く訴えるケースもあります。実際には人材教育に必要な指導に対しても、「〇〇さんが正論で言い返せない状況を作った」とロジハラに仕立て上げられてしまうのです。
このような状況に陥ると、もはや指導する側まで萎縮してしまいコールセンター組織として顧客対応のクオリティを維持するのが難しくなると考えられます。
まとめ
ロジハラは「正論」が起因しているだけに、数あるハラスメントの中でも加害・被害の判断が難しくなります。
ただし、コミュニケーションにおいては「正論」が何よりも正しいとは限りません。特に多様な顧客との対話が必要なコールセンターにおいては、正論だけを拠り所とするよりも、日頃から相手に共感し相手の立場に立った言い回しのテクニックなどを身につけておく必要があります。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
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好きな料理は「スパイスカレー」です。