放棄呼とは?コールセンターの放棄呼率を改善する6つの方法
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンターの人材不足やコールが多すぎるなどを理由に、放棄呼が多くなってしまうことがあります。「しょうがない」と放置していては、クレームや企業への信頼損失にもつながりかねないため、すぐにでも対策が必要です。一体どんな方法があるのでしょうか。
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目次
放棄呼とは
「放棄呼(ほうきこ)」とは、放棄されたコール(呼)のことです。保留時間が長すぎて待ちきれずオペレーターにつながる前に顧客側が電話を切ったり、システム側で訳あって電話を切ったりしてしまうケースが当てはまります。放棄呼の割合は、コールセンターの電話のつながりやすさや顧客からの不満原因を測る重要な数値といえます。
待ち呼/あふれ呼とどう違う?
よく似た言葉に、「待ち呼」「あふれ呼」という用語があります。どちらも同じ意味で、オペレーターにつながらない状態のコールのことを指します。回線数を上回るコールが集中し保留が続く場合だけでなく、オペレーターの手が足りずにコールに出られない場合も当てはまります。待ち呼やあふれ呼の状態の先に、放棄呼があるという構図です。
放棄呼を放置して起こること
顧客がコールセンターに電話をかける時は、疑問やトラブルの解消や登録情報の変更など、スピーディーな対応を求めているケースが多いといえます。電話がつながらずかけ直さなければならない状況は、顧客に大きな不満を与えかねません。コールセンターへの不満にとどまらず、企業への信頼も損なうこともあるでしょう。
顧客が再びコールセンターに電話をしてつながったとしても、「前回待たされてつながらなかったこと」「疑問がすぐ解消できずに困ったこと」「改めて電話をかけなければならなかった手間」などが重なると、不満を解消させることは難しいかもしれません。大きくなった不満は、電話をとったオペレーターにクレームとしてぶつけられるでしょう。
放棄呼が多いコールセンターでは、リソース不足が原因で1人1人のオペレーターに大きな負担がかかっている傾向にあります。そんな中で怒りを持ったクレームを受けると、オペレーターにとって大きなストレスになってしまいます。結果として離職者が増え、さらにオペレーターの数が足りずに放棄呼が増えるという悪循環に陥ってしまうでしょう。
ほかには、商品やサービスの契約といった内容のコールである可能性もあります。その場合、放棄呼を放置したままでは顧客獲得のチャンスを逃すことになります。そのため、放棄呼に対して何もしないというのは企業にとってデメリットでしかありません。
放棄呼率とは
コールセンターの放棄呼の多さを測るには、「放棄呼率」を算出します。
放棄呼率とは、コール数に対する放棄呼数がどれくらいの割合となっているかを示す数値です。放棄呼率と相対関係にあるのが応答率(=コール数に対して電話がつながった数の割合)です。
コールセンター白書2020によると、最も重視しているKPI指標は「放棄呼率(応答率)」と答えた企業が45%にも上りました。
これは次点の「顧客満足度」19%を大きく超えた数値になっています。
放棄呼率の計算式
放棄呼率は、「放棄呼の数(何らかの理由で電話がつながらなかった数)÷コール数(電話がかかってきた数)×100」で求められます。
コールセンターの通常時の放棄呼率は、限りなく0%に近づけることが目標です。そのために、顧客を待たせすぎない体制づくりや、オペレーターの生産性の向上などの工夫が必要です。
ただし、自然災害や想定外のトラブルによる影響からコール数が急激に伸びたり、SNSやテレビで一時的に話題になったりなど、オペレーターの人数やコールセンターのシステムそのものの許容量をやむを得ず超える場合は、例外と考えて良いでしょう。
放棄呼への対策
では放棄呼はどのように対策すればいいのでしょうか。
オペレーターの能力を上げる
放棄呼対策の一手としては、オペレーターの顧客対応数を上げることです。一つひとつのコールにかかる通話時間や後処理の時間を短縮すれば、取りこぼしていたコールも取れるようになります。平均通話時間を測る「ATT」や平均の後処理時間の「ACW」といったコールにかかる時間を計測するKPIをオペレーターに意識してもらうことからはじめてみてください。
ただし、オペレーターが時短を意識しすぎると顧客への案内が早口になったり、後処理を簡略化してしまったりと、業務が雑になることがあります。時間と品質の双方を重視し、オペレーター能力を引き上げることが大切です。
WFM(ワークフォース・マネジメント)を導入する
WFM(ワークフォース・マネジメント)とは、コールの量と人員配置のバランスを最適化する組織管理施策のことです。曜日や時間帯、繁閑期などの分析結果や、オペレーターのスキルやシフト希望といったさまざまな条件を考慮して、無駄のないシフト配置を割り出します。
例えば、WFMの実施により、コール数の予測からオペレーターの最適な人数を割り出して配置すると、保留時間の短縮につながり、放棄呼の軽減が期待できます。
FAQサイトを用意してコール数を減らす
コールセンターへの問い合わせの多くが同じような内容であるといわれています。そのような共通した質問をFAQ(=よくある質問)としてサイトにアップしておけば、顧客が自分で解決できるケースが多くなるでしょう。
コールの総数を抑えられると、放棄呼や待ち呼を減らすことができます。難しい問い合わせはコールセンターの有人対応でフォローすることになるので、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
チャットで無人対応する
コールセンターの多くは人材不足や人件費などの課題を抱えているので、放棄呼を抑える目的とはいえ人員を容易に増やすことは難しいでしょう。
AIを活用したチャットツールなら、24時間365日の無人対応が可能になります。顧客の利用が進めば多くの問い合わせ内容は事足りるので、コールセンターへのコール総数や放棄呼も減らすことができます。チャットツールであれば顧客にとっても時間を気にせず問い合わせられるので、保留時間へのストレスも軽減できるでしょう。
IVR(自動音声システム)で効率化する
コールの用件が自分の担当する内容ではない場合、該当部署に電話を転送することになります。この時間も回線をひとつ使い続けているので、放棄呼を増やしてしまっている状況になります。この転送時間を解消するのがIVR(自動音声システム)です。
入電時にまず「〇〇の方は1番、△△の方は2番をプッシュしてください」とIVRによる音声ガイダンスを流します。希望する番号を選択してもらうことで、最適な担当オペレーターに直接つなぐことができます。転送にかかる時間をカットできるので、オペレーターがより多くのコールを受けられるようになります。
コールバック機能を使って折り返す
上記のIVRには、コールバック機能があります。顧客は音声ガイダンスに沿って折り返し電話(=コールバック)を選択することができ、保留時間を待たずに済みます。
まとめ
放棄呼はコールセンターの品質を表す指標であり、放棄呼の解消は企業への顧客満足度の向上にもつながります。オペレーターの能力アップだけに負荷をかけるのではなく、チャットやFAQ、IVRなどのシステムや機能を使うことで、総合的に生産性を上げることが可能です。
例えば、クラウド型コールセンターシステム楽テルなら、顧客応対速度を高めるさまざまな機能が揃っているので、放棄呼に関する課題の解消も期待できます。ぜひ、検討してみてください。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
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好きな料理は「スパイスカレー」です。