ビジネスフォンの司令塔
「電話交換機」の仕組みや種類とは
こんにちは!楽テルコラム担当です。
広いオフィスやコールセンターなどの現場で活躍するビジネスフォンには、複数の回線や電話機を制御する「電話交換機(PBX)」と呼ばれる主装置が存在します。近年では物理的な主装置だけでなく、クラウド上の電話交換機にアクセスしてスマホやパソコンをビジネスフォンとして使用するシステムなども登場しています。今回は電話交換機の仕組みや基本機能、種類などをご紹介します。
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目次
電話交換機(PBX)とは
電話交換機(PBX=Private Branch eXchange)はビジネスフォンのシステムを司るもので、家庭用の一般電話機にはない装置です。この電話交換機によって複数の回線を接続できたり、保留転送ができたり、内線通話ができたりするようになり、ビジネスの効率化を実現します。
古くから普及している電話交換機は拠点ごとに物理的な機器を設置し、複数の電話機と電話線でつないで使用します。近年ではLANケーブルでつなぐ「IP-PBX」、インターネットを介して利用する「クラウドPBX」の普及も進んでいます。
電話交換機(PBX)で使える6つの機能
ここでは、電話交換機の主な6つの機能をご紹介します。
機能1 外線の発着信
社外からの外線電話ではまず電話交換機が着信し、電話機に振り分けます。
たとえば代表番号にかかってきた場合、受話設定した電話機が一斉に鳴り着信できるようになります。ただし、使用中の電話が鳴ることはありません。
外線への発信も、電話交換機を経由して行われます。そのため、どの電話機で発信しても代表番号を相手に表示できるようになります。
機能2 内線の発着信
電話交換機でつないだ電話機同士の内線通話を可能にします。
電話機に割り当てた内線番号をプッシュすれば離れた場所の特定の電話機を鳴らせるので、足を運ばずに会話ができます。
内線は同じ回線を使うので、料金は発生しません。電話交換機につないでいない電話機への発信は外線の通話料金が必要になるので、業務効率化だけでなくコスト削減にも貢献します。
機能3 拠点間の発着信
他の拠点の電話交換機同士をつなげば、複数の拠点間の無料通話が可能になります。複数のフロアや全国の拠点を持つ企業にとって、非常に便利でお得な機能です。
機能4 さまざまな転送
通話中に電話を保留にして、転送する機能です。不在時にも別の電話機に転送することができます。
電話を取れない時間に指定の番号に転送する「不在転送」や、別の内線電話に取り次ぐ「話中転送」、一定の呼び出し音を超えたコールを別の電話に転送する「応答遅延転送」、あらかじめ決めた条件の着信を転送する「着信選択転送」が可能です。
さらに内線化したスマートフォンにも転送が可能です。ただし、圏外にある場合は圏内にある他の電話に転送します。
機能5 ダイヤルイン機能
ダイヤルイン機能とは、1本の回線で電話番号を複数取得できる機能のことです。
ダイヤルイン機能を使用せず部署ごとに電話回線を契約すると、敷設備用や維持費用などによって膨大なコストがかかってしまいます。そのため、大量の電話を必要とするコールセンターではダイヤルイン機能を導入することで維持コストの削減が実現できます。
機能6 パーク保留機能
通話中にパーク保留機能を利用すると、他の電話機からでも通話を再開できます。
さらに、かかってきた電話を誰に取り次げば良いのか不明な場合には保留にして適切な担当者を確認してから引き継ぐことができるため、スムーズな応対が可能になります。
電話交換機の種類別のメリット、デメリット
ビジネスフォンの司令塔として重要な役割を持つ電話交換機ですが、IT環境の進化とともに新たなタイプの電話交換機が登場しています。
PBX(電話交換機)のメリット・デメリット
古くから普及しているPBXは、電話回線を使用しています。物理的な専用機器を設置し、電話回線で複数の電話機とつなぎます。
メリットは、一般電話を複数台置くよりも通信費を削減できることです。加えて、電話回線は比較的セキュリティ面が安定しているので乗っ取りなどの被害に遭いにくいようです。
ただしデメリットとしては、初期費用・ランニングコストなどの負担が大きいこと、オフィス内の配線が複雑になること、パソコンやスマホを内線にできないことなどが挙げられます。
IP-PBXのメリット・デメリット
IP-PBXとは、インターネット回線を使用するIP電話機専用のPBXです。上記のPBXと同様に物理的な専用機器を設置し、LANケーブルでIPアドレスを割り当てた電話機とつなぎます。
メリットは、電話回線を使用するよりも初期費用や運用コストが抑えられることです。さらに、パソコンとの連携で通話内容の録音や通話履歴をバックアップできます。スマートフォンの内線化も可能で、社外でも会社の電話を使用できるため活動の幅が広がります。
加えて通話音声はデジタル化されているので、留守番電話のデータをメールに添付することも可能です。
デメリットとしては、ハッキングのリスクが高まるのでセキュリティ対策が必要になることです。
クラウドPBXのメリット・デメリット
クラウドPBXは、インターネット上にあるPBXによって電話機を制御します。
高価なPBX機器の購入費や社内に設置する工事費が不要なので、初期費用を大幅に削減できることがメリットです。さらに、拠点の新設の際もクラウドの設定を変更するだけでスピーディに導入できます。インターネット環境があれば、海外の拠点との通話が無料になることも嬉しいポイントです。
デメリットは、通話音声のクオリティがインターネット環境に左右されることと、クラウド上のサーバーレンタル費が必要なのでランニングコストが必要になることです。
CTIと連携するメリット
CTIとは、電話とコンピュータを統合するシステムであり、PBXとCTIを連携させることで顧客対応業務の効率化を実現できます。ここではCTIと連携するメリットについてみていきましょう。
自動録音機能
自動録音機能はCTIの代表的な機能です。すべての通話内容を自動的に録音して顧客とのやり取りを残せるため、クレームなどのトラブル対処に役立ちます。
さらに、ベテランオペレーターの通話内容を社内で共有することで応対品質の向上にも役立ちます。
ポップアップ機能
ポップアップ機能とは、電話を受けた際、事前に登録していた顧客情報がパソコン画面に表示される機能のことです。
氏名や電話番号、購入履歴などを瞬時に確認できるため、コールセンター業務の効率化に役立ちます。
自動音声応答機能
着信の際「◯◯に関するお問い合わせは1を、△△に関するお問い合わせは2を」といったように、音声ガイダンスによる自動応答が可能になります。
問い合わせ内容を事前に把握できるため、オペレーターの工数削減につながります。
PBXに向いている企業・ビジネス
有線の電話回線を張り巡らすことになるので、ワンフロアのオフィスを構える中小企業に向いています。加えて、社外で会社の電話を使用することが少ないスタイルの事業者なら、シンプルなPBXがおすすめです。
IP-PBXに向いている企業・ビジネス
複数の拠点や別フロアとも柔軟につながるので、たくさんの電話機の設置が必要な大企業やパソコンを使用するコールセンターなどに向いています。
発信者情報を管理するCTIシステムとの連携も可能なので、CTIに記録している発信者情報をポップアップするなどの顧客対応業務に役立てられます。
クラウドPBXに向いている企業・ビジネス
クラウドPBXは初期導入費や物理的なスペース、プロのメンテナンスが不要なので、小規模事業での導入にも向いています。従来型のPBXでは、専用機器の購入や工事に数百万円かかる場合があり、さらに設置場所には十分なスペースが必要でメンテナンスはプロが行わなければならず、小規模の事業者には負担が大きすぎるシステムでした。
クラウドPBXが登場してからは、このような負担が大幅に軽減されたため、小規模事業者も気軽に検討できるようになりました。
まとめ
ビジネスフォンを統括する電話交換機(PBX)は、ビジネスの生産性向上が期待できる頼もしい機能です。企業の規模や事業スタイルによって、適切な電話交換機のタイプが異なります。ぜひ導入時や運用時のコスト、必要な機能などを洗い出して、自社にぴったりの電話交換機を検討してください。
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楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
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好きな料理は「スパイスカレー」です。